>  社会保障制度の基礎知識 >  介護編
介護サービスの種類
〜施設サービス〜
●機能に応じた3種類の介護保険施設
  介護保険のサービスのうち、「居宅サービス」と対をなす、もう一方のカテゴリーが、「施設サービス」です。
  これは、介護保険が適用される施設入所者に対して、日常生活上の世話や機能訓練、療養上の管理などを行うものです。施設サービスを利用できるのは、要介護度が1以上の人に限られます。入所する際には、その人がどのようなケアを受けるべきかという調査(アセスメント)が行われ、施設内のケアマネジャーによる施設サービス計画によるサービスが実施されます。
【施設サービスの種類と内容】
施設の種類 サービスの内容
介護老人福祉施設 特別養護老人ホームの入所者に、施設サービス計画に基づいた介護等の日常生活上の世話(入浴、食事、排せつなど)、機能訓練、健康管理および療養上の管理を行うサービス。
介護老人保健施設 施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理下における介護および機能訓練、その他必要な医療と日常生活上の世話を行うサービス。
介護療養型医療施設 施設サービス計画に基づいて、療養上の管理、看護、医学的管理下における介護等の世話および機能訓練その他の必要な医療を行うサービス。(長期に渡る療養やカテーテルなどの医学的管理が必要な人が対象)
●施設サービスの介護報酬体系
  施設サービスに関する介護報酬は、それぞれの施設の種類や規模、入所者の要介護度などに応じて異なり、全体的には要介護度が重いほど報酬は高くなり、従って入所者の負担分も増加します。2005(平成17)年10月以降、多床室、個室などの居室の分類によっても介護報酬が異なります。
  また、施設サービスの介護報酬にはさまざまな加算があるのが特徴です。例えば退所予定者に対して、退所後に利用を希望する居宅介護支援事業者と連携して、退所後の居宅サービス利用に関する調整などを行った場合、「退所前連携加算」が介護報酬に上乗せされます。
●居住費、食費の徴収
  2005(平成17)年10月からの介護保険制度改正により、在宅と施設利用者の利用負担の公平性をめざし、低所得者の負担増も考慮に入れて介護保険施設(ショートステイを含む)における居住費(滞在費)、食費が保険給付の対象外とされ、原則的には利用者の負担となりました。
  居住費(滞在費)については、4区分―多床室、従来型個室、ユニット型準個室、ユニット型個室―により日額が異なります。ユニット型個室とは、施設内を10人程度のブロック(ユニット)に分けた上で、入所者に個室を割り当てユニットごとに設けられた共同リビングを利用しながら、共同生活を営む居住形式のことです。
  多床室については、光熱水費相当が利用者負担となり、従来型個室、ユニット型準個室、ユニット型個室については、室料と光熱水費相当が利用者負担となります。
  食費は、食材料費と調理費相当額の合計額が利用者負担となります。
●低所得者への配慮
  2005(平成17)年10月以降、低所得者にとって、居住費、食費の負担が過重とならないように負担上限額が決められ、介護保険から「補足給付」を行う制度が創設されました。補足給付の対象となるのは、所得段階別保険料額表の1〜3段階の人です。
例:所得段階別保険料額表の第3段階に属する場合(所得80万円以上266万円以下)
各施設における居住費、食費の負担限度額(日額、単位は円)
  ユニット型個室 ユニット型準個室 従来型個室 多床室 食費
介護老人福祉施設 1,640 1,310 820 320 650
介護老人保健施設 1,640 1,310 1,310 320 650
介護療養型医療施設 1,640 1,310 1,310 320 650
  例えば、上記第3段階に属する人が介護老人福祉施設の従来型個室に入所した場合、1カ月の居住費、食費、介護老人福祉施設サービス費は以下のように計算されます。(利用者が要介護5、施設が小規模介護福祉施設に該当すると考えます。)
居住費 820×30=24,600円
食費 650×30=19,500円
介護老人福祉施設サービス費 10,100×30=303,000
1割自己負担分 30,300円
(1単位を10円と換算)
合計額 74,400円
*この他に日用品の費用として1カ月平均5,000円〜10,000円程度負担する場合があります。
(大場 幸子、社会保険労務士、産業カウンセラー)
2006.07.13
前のページにもどる
ページトップへ