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厚生年金基金は、昨今の低金利や株価の低迷などにより、実際の運用利回りが予定利率を下回り年金の支払いに必要な金額の積立不足などの理由から、基金の解散や基金からの脱退が増加しています。その際に発生する一時金の取り扱いについて一定の見解が示されましたので確認しておきます。
この取り扱いは、厚生年金基金の権利義務を確定給付企業年金法に定められる企業年金基金に承継し、企業年金基金の代行給付部分を国に返上した上で解散する厚生年金基金の加算年金部分および基本年金部分のプラスアルファ部分である残余財産を企業年金基金に移行する場合に発生する支払いについての課税関係になります。

- 既に退職している年金受給権者の「受給待機者」に企業年金基金から支給される一時金は「退職所得」になります。
- 既に退職している年金受給権者の「年金受給者」に、将来の年金給付の総額に代えて支給する場合には「退職所得」になります。
年金受給権者へ支給される一時金は、所得税基本通達31-1(厚生年金基金等から支払われる一時金)により、所得区分が判断され、基金一時金が退職所得に当たる場合には、所得税基本通達30-4(過去の勤務に基づき使用者であった者から支給される年金に代えて支払われる一時金)の取り扱いに準じて、退職した日の属する年または基金一時金の支給期の属する年の「退職所得」として取り扱うこととして認められています。
- 引き続き勤務している社員に支払われる一時金については、移行した企業年金基金に厚生年金基金の加算年金部分を有していない非加算適用加入員に、企業年金基金から脱退一時金が支払われるが、これは「一時所得」になります。
年金受給者への基金一時金が将来の年金給付の総額に当たるかどうかは、プラスアルファ部分とそれ以外の確定給付企業年金(通常は加算年金部分)の総額が一時金で支払われるかどうかにより判断され、プラスアルファ部分のみが一時金で支払われ、加算年金部分が引き続き支給される場合には、原則として「一時所得」になるとされています。
- 企業年金基金に移行後も厚生年金基金の加算年金部分を有する加算適用加入員に、企業から脱退一時金が支払われる場合は「給与所得」になります。
非加算適用加入員に支給される基金一時金は、加入者の退職に基因するものではありませんので、「退職所得」ではなく「一時所得」となり、加算適用加入員に対する企業からの一時金は、雇用者となる企業が従業員に対して支給するものなので、「給与所得」に該当するものとしています。
このように、それぞれの場面で、支給される金額に対してはっきりとどの所得になるかを示されたことにより、厚生年金基金の解散および脱退を考えていた企業にとっても安心して行動が取れるようになったということができます。
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