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五.国際課税
2.非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度の整備
■ 非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度の整備
  各国税務当局間で非居住者の口座情報を自動的に交換することについてG20サミット等で合意したことを受け、日本の金融機関に対し非居住者の口座情報の報告を求める制度を整備。
(1) 平成29年1月1日以後に銀行等の一定の金融機関(以下「報告金融機関」という)との間でその国内にある営業所等を通じて預金又は貯金の受入れを内容とする契約の締結等の一定の取引(以下「特定取引」という)を行う者は、その者(その者が一定の法人(以下「特定法人」という)である場合におけるその特定法人の支配者である個人を含む)の氏名又は名称、住所、生年月日、居住地国(その者が居住者として租税を課される国又は地域をいう、以下同じ)、居住地国が外国の場合にあってはその居住地国における納税者番号、その者の居住地国が住所に係る国又は地域と異なる場合にはその異なる事情の詳細その他必要な事項を記載した届出書を、その特定取引を行う際、その報告金融機関の営業所等の長に提出しなければならない。
(注1) 上記の「支配者」とは、法人の事業経営を実質的に支配できる関係にある一定の者をいう。
(注2) 届出書を提出した者は、その提出後に居住地国の異動があった場合には、報告金融機関に対し、異動後の居住地国その他必要な事項を記載した届出書を提出しなければならない。
(注3) 届出書の提出があった場合には、報告金融機関はその届出書に記載されている事項につき確認をしなければならない。
(注4) 届出書に記載すべき事項は、電磁的方法による提供も可能とする。
(2) 報告金融機関は、次に掲げる者の区分に応じそれぞれ次に定める方法により、その者(その者が特定法人である場合におけるその特定法人の支配者である個人を含む)の居住地国を特定しなければならない。
@ 平成29年1月1日以後に特定取引を行う者
  上記(1)により提出された届出書に記載されている事項による方法
A 平成28年12月31日以前に特定取引を行った者で、同日においてその特定取引に係る契約を有するもの
その保有する記録を検索する等の一定の方法
(注1) 報告金融機関は、上記Aに定める方法による特定の後に上記Aに掲げる者の居住地国に異動が生じたことを知った場合には、その者に提出を求めた届出書に記載されている事項による等の一定の方法により、その者の居住地国を特定しなければならない。
(注2) 上記Aに掲げる者は、上記(1)と同様の事項を記載した届出書を提出することができる。この場合には、報告金融機関は、その届出書に記載されている事項により、その者の居住地国を特定しなければならない。
(注3) 届出書を提出した者は、その提出後に居住地国の異動があった場合には、報告金融機関に対し、異動後の居住地国その他必要な事項を記載した届出書を提出しなければならない。
(注4) 届出書の提出があった場合には、報告金融機関はその届出書に記載されている事項につき確認をしなければならない。
(注5) 届出書に記載すべき事項は、電磁的方法による提供も可能とする。
(3) 報告金融機関は、その年の12月31日において、その報告金融機関の国内にある営業所等に報告対象契約がある場合には、その報告対象契約を有する者(その者が特定法人である場合におけるその特定法人の支配者である個人を含む)の氏名又は名称、住所、生年月日、居住地国、居住地国における納税者番号、同日におけるその報告対象契約に係る財産の価額、その年におけるその報告対象契約に係る財産の運用、保有又は譲渡による収入金額その他必要な事項(以下「報告事項」という)を、その年の翌年4月30日までに、電子情報処理組織を使用して送付する方法又は光ディスク等に記録して提出する方法により、その報告金融機関の本店所在地等の所轄税務署長に提供しなければならない。
(注) 上記の「報告対象契約」とは、特定取引に係る契約のうち、次のいずれかの者が有するものをいう。
@ 租税条約等の相手国等のうち一定の国又は地域(以下「報告対象国等」という)を居住地国とする者(以下「報告対象者」という)
A 報告対象国等以外の国又は地域を居住地国とする特定法人であって、その特定法人の支配者である個人が報告対象者であるもの
(4) 報告金融機関は、特定取引を行った者(その者が特定法人である場合におけるその特定法人の支配者である個人を含む)の居住地国の特定のために採った措置その他必要な事項に関する記録を作成し、保存しなければならない。
(5) 報告事項の提供に関する調査に係る質問検査権の規定を整備する。
(6) 届出書の不提出・虚偽記載又は報告事項の不提供・虚偽記載若しくは報告事項の提供に関する調査に係る検査忌避等に対する罰則を設ける。
(注) 上記の改正は、平成29年1月1日から適用する。
財務省HP「参考資料」(法人税改革以外)より
http://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/mail_magazine/20141230c.pdf
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