1. FPS-Club HOME > 
  2. 営業スキル > 
  3. わかると楽しい法律知識 > 
  4. 第50回 相続人全員の同意がないと、預貯金はおろせないの?

iconわかると楽しい法律知識

第50回 相続人全員の同意がないと、預貯金はおろせないの?

弁護士/司綜合法律事務所パートナー 中込 一洋

 

■ 家庭裁判所の判断を求めれば

 

  最大決平成28・12・19民集70巻8号2121頁は、預貯金は当然に分割されるとしていた従前の判例を変更して、預貯金債権が遺産分割の対象に含まれると判断しました。その結果、預貯金を払い戻すためには共同相続人全員の同意が必要なことになりました。

  でも、例えば父親が死亡したときに、残された借金を急いで弁済しなければいけないときや、扶養を受けていた人の当面の生活費が足りなくなってしまうときなど、急いで預貯金を払い戻す必要があることもありますよね。

  そこで、相続法改正では、家事事件手続法200条を改正し、「相続財産に属する債務の弁済、相続人の生活費の支弁その他の事情により」必要があるときには家庭裁判所が「遺産に属する特定の預貯金債権の全部又は一部をその者に仮に取得させることができる」ようにしました(ただし、「他の共同相続人の利益を害するとき」は対象外とされています)。

※これ以降は会員専用ページです。