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    ―保険加入が自殺の引き金にならないように―

icon元引受査定担当者による保険判例解説

第10回 生命保険の集中加入と自殺免責期間後の自殺
―保険加入が自殺の引き金にならないように―

一般社団法人ソーシャルバリューファーム 代表理事 右田 修三

 

 多額の負債をかかえて返済のメドが立たなくなってしまった場合に、生命保険に加入して自分の死とひきかえに死亡保険金で返済しようということは、切羽詰まれば誰しも頭をよぎることだと思います。今回、取り上げた判例は、短期間に多額の生命保険に集中加入した後、明らかに死亡保険金目当てに自殺をしたと思われる場合における死亡保険金の支払いの諾否が争われたケースです。地裁、高裁、最高裁の判決がその都度、逆転することになりました(内容を理解しやすくするために、判例の趣旨は変えずに事実関係の一部をシンプルに改めています。登場人物・団体はすべて仮名)。

 

■ 普通死亡で約13億円、事故死亡で約22億円の死亡保険金はなんのため?

 

 板夫は昭和42年に防水建設株式会社を設立し、代表取締役に就任しました。平成2年頃までは年間の売上が4億円前後と堅調な業績で推移していましたが、平成6年度には約1億円程度に落ち込み、平成6年度末(平成7年3月31日)における借入金の総額は約2億7千万円と、会社の経営状態は、相当厳しい状況にありました。

 そんな中、板夫は、平成6年6月1日に生命保険会社4社と契約者を防水建設、被保険者を板夫とする次のような契約を結びました(この4件の契約を「平成6年契約」と総称する)。

 

  A生命 B生命 C生命 D生命
保険種類 定期保険 定期保険 定期保険 定期保険

保険

金額

主契約 1億5千万円 1億5千万円 2億円 1億円
災害割増特約 9,000万円 9,500万円
傷害特約 1,000万円 500万円
保険期間 10年間 5年間 5年間 5年間

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