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【前編】“スタッフ力”が診療所経営を左右する

さかうえ社会保険労務士事務所 所長/社会保険労務士 坂上 和芳

 

  ドクターマーケットを開拓するうえで、 マーケットの特性や基本的な知識を押さえているのは当然のことですが、ドクターの関心事や悩み事を理解できることも大事です。医療機関の大半を占めるクリニックや医院などの開業医(いわゆる院長先生)の多くは、優秀な人材=スタッフの確保と定着に並々ならぬ関心があります。

  税理士による税務面から見たドクターマーケットの解説はご覧になった方もいらっしゃることでしょう。そこで本特集では切り口を変えて、社会保険労務士による労務管理面から見たドクターマーケットの実態と特性を2回にわたって解説いただきます。

  著者の坂上和芳さんは、医療機関における労務管理の専門家であり、千葉労働局の非常勤コンサルタントとして千葉県内の医療労働についての専門相談員を務められている、医療機関の内情に精通された方です。

 

  
診療所と病院はココが違う

 

  ドクターマーケットを理解する前提として、病院と診療所の違いを知っておきましょう(図表1参照)。病院はベッド数「20床以上」の入院施設を持つ施設、診療所はベッド数「19床以下」の施設を言います(医療法第1条)。病院はさらに200床未満の施設を中小規模病院と区分され、全国に8,378施設(平成30年6月末現在)ある病院の約4割は100床未満の小規模病院です。

  他方、全国に10万2,129施設ある一般診療所(歯科診療所を除く)は、有床診療所(6.9%)と無床診療所(93.1%)に区分され、有床診療所はここ10年以上減り続けています。また、診療所は「クリニック」「医院」という言い方もしますが、どこの街にもある「〇〇クリニック」「〇〇医院」はみな一般診療所に区分されます。

 

 

  
診療所のスタッフは一人何役もこなして経営が成り立っている

 

  病院と診療所のもう一つ大きく違うところは、スタッフ個々が担う役割の大きさです。病院は、医師が所属する診療部(大学病院は医局)、看護部など医療職種ごとに部署が分かれ、さらに診療報酬請求など医療事務や受付業務を担う医事課、事務部門も人事や総務など役割が細分化され、それらを統括する事務長がいます。ただ、100床未満の小規模病院になると、医療従事者が事務職を兼ねている施設もあります。

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