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【後編】「スタッフが辞めない診療所」はここが違う!

さかうえ社会保険労務士事務所 所長/社会保険労務士 坂上 和芳

 

  前編では、評判の良い診療所は先生の腕はもちろん重要ですが、先生を支える優秀なスタッフの力も大きく寄与していることを、社労士の坂上さんに解説いただきました。後編では、優秀なスタッフを確保し、定着している診療所はどこが違うのかを解説いただきます。

 

  
この診療所で働き続けたいと思う理由は?

 

  病院と比べて職員数が少ない診療所は、スタッフ個々が担う役割が大きく、看護職が一人離職しただけで大きな痛手となります。そのため優秀な人材の確保と定着のための職場環境づくりが診療所経営には重要です。それが「医療の質」の向上にも直結します。

  公益社団法人日本看護協会の調査によると、看護師が勤務する職場で働き続けたいと思う「重視する職場環境」は、「職場の人間関係が良好」(回答率95.6%)、「休暇をとりやすい」(同94.4%)、「納得できる収入が得られる」(同94.3%)、「上司がサポートしてくれる」(同90.5%)、「通勤の便が良い」(同89.0%)、「超過勤務が少ない」(同84.1%)、「知識・技術を習得できる」(同79.3%)、「必要に応じて勤務形態を変更できる」(同77.0%)、「研修が充実している」(同60.8%)、「夜勤がない・少ない」(同53.2%)でした(日本看護協会「2017年 看護職員実態調査」)。

  一方、診療所に限定した調査でも、全国保険医団体連合会(全保団連)の「『診療所における看護職員確保アンケート』(中間報告)の概要」を見ると、看護職員の定着対策として効果があったものは、「有給休暇確保、残業縮小」(59.9%)、「業務外での親睦」(56.3%)、「近隣と同水準以上の賃金」(55.6%)、「会議で職員から意見を聞く」(53.5%)、「研修や学会発表」(41.0%)が上位を占めています。

 

  
スタッフが辞めない「働きやすい診療所」の10か条

 

  「スタッフが辞めない診療所」は、労働条件や人間関係の良さなどの「働きやすさ」に加えて、スタッフのモチベーションを高める「働きがい」にも注力しています。

  「働きやすさ」は、残業が少なく、休みがとりやすいといった労働条件、人間関係の良さから得られるものです。ただし、院長がスタッフの言いなりでは経営が成り立ちません。診療所としてのルールを決めて、就業規則や雇用契約書で明文化する必要があります。実はこのルールを明文化し、スタッフに理解させるという作業が、診療所など医療機関(医療従事者)に最も欠けている点です。

  「働きがい」は、公平な評価と、研修などスキルアップの機会があることで自分の成長が望めることから得られるものです。職種ごとの年功序列の賃金体系が多く、きちんとした評価制度がない施設が多いのも医療機関の特徴でもあります。

  このように、一般企業では当たり前に行われている労務マネジメントができていない医療機関が多いということは、裏を返せば、それらができている診療所は確実にスタッフから選ばれているということです。

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