1. FPS-Club HOME > 
  2. 税と社会保障 > 
  3. 知ってビックリ!年金のはなし > 
  4. 第247回 外国人の年金加入と脱退一時金

icon知ってビックリ!年金のはなし

第247回 外国人の年金加入と脱退一時金

社会保険労務士 桶谷 浩

 

● 入管難民法改正に関連して

 

 入管難民法の改正により、近い将来、日本に外国人労働者が増加することが予想されています。

 時々、外国人の年金加入について聞かれるのですが、外国人の方でも(社会保障協定の締結国から来た人等の例外を除いて)原則として日本に住んで日本で仕事をする人は、日本人と変わらない基準で国民年金・厚生年金に加入しなければなりません。

 

 年金を受け取る要件も日本人と全く同じで、10年間保険料を納付すると受給権が発生します。受給権以外の扱いも日本人と外国人との間に差はありません。

 ただ、日本人にはない「脱退一時金」という制度が適用されることもあります。

 これについて、

 日本に居住し、公的年金に加入している外国人が10年の受給資格期間を満たさずに出国する場合に支払われる「脱退一時金」について、厚生労働省が増額を検討することが8日、分かった。来年以降、支払い時に算定する期間の上限を現在の3年から5年へ延長する案を軸に、同省の社会保障審議会の年金部会などで議論する方針。(東京新聞Web版 2018年12月8日)

という報道がありました。

 これは改正入管難民法が成立したことに伴い、来年4月以降、外国人労働者の増加や滞在期間の長期化が見込まれることへの対策です。

 

 上記のとおり、日本を離れる外国人は脱退一時金制度により保険料が掛け捨てになることを防ぐことができます。

 日本人で日本国内居住者であれば、20歳から60歳までの期間は強制加入ですから、もし加入期間が10年に満たなかったとしても、未納滞納をしたのが原因であって本人に責任があることから、何ら救済をする必要はありません。また日本人が海外に在住する場合には、その期間は全期間がカラ期間になり、年金受給に必要な10年間にカウントしてもらえますから不利にはならず、受給権発生の障害とはなりません。

 

 しかし、外国人の場合はそうはいきません。

 日本に来て、厚生年金適用事業所の会社に入社し、7年ほど働いて帰国することになったような場合、本来、外国に住んでいる外国人が日本の年金制度には加入できませんから、払ったお金は無駄になるかもしれません。

 そこで作られたのが「脱退一時金」です。

※これ以降は会員専用ページです。