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No.3777 国立大学2校で授業料値上げへ

 東京工業大学と東京藝術大学が授業料を値上げしました。教育環境の整備や充実のためとされ、国立大学の標準額よりも高くなっています。学費については、同じ大学でも学部や入学年度によって金額が違う場合があるので、募集要項などで確認する必要があります。

 

● 国立大学の学費は、標準額の120%までの値上げが認められる

 

 国立大学の入学金や授業料については、文部科学省が定めた標準額があります。「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」に記載されており、入学金は28万2,000円、授業料は年間53万5,800円です。そのため、これまでは国立大学の学費は、ほぼ一律ともいえましたが、2019年4月の入学者から値上げする大学が出てきました。東京工業大学と東京藝術大学です。
 東京工業大学は、これまで標準額と同じ年間53万5,800円であった授業料を9万9,600円の値上げをして年間63万5,400円に、また、東京藝術大学でも標準額であった授業料を10万7,160円の値上げをして年間64万2,960円としました。
 さらなる値上げをする国立大学が出てくるのではないかと心配になりますが、現在の省令では標準額の120%を超えない範囲までの金額しか認められないので、値上げをしても、入学金は標準額の120%である33万8,400円、授業料は標準額の120%である64万2,960円が上限になります。仮に入学金と授業料を上限額いっぱいまで値上げをすれば、初年度(大学1年生)の学費は98万1,360円となります。それでも私立大学の初年度納付金の平均額145万5,729円(※)と比べれば、負担は軽減されますが、「国立大学なら学費は安い」とまでは言えません。
 同じ大学に通っていても学部や入学年度によって学費が違う場合があるので、入学年度の募集要項(入学案内など)で確認しましょう。現在、高校3年生で2020年4月に大学進学予定であれば、2020年度の募集要項で確認する必要があります。
(※文部科学省「平成29年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」)

 

● 国立大学の学費には事情による減免も認められている

 

 国立大学であっても学費の負担が軽いとは言えず、保護者にとっても頭の痛いところです。省令には、経済的理由によって納付が困難であると認められる人や、その他のやむを得ない事情があると認められる人に対して、学費の減免など必要な措置を行うことも定められています。
 学費の減免や大学独自の奨学金などの情報は募集要項に記載されているので、これらの制度についても確認し、不明な点があれば大学の奨学金担当の窓口で確認するとよいでしょう。

 

2019.07.08

 

 

 

森田 和子(もりた・かずこ)

FPオフィス・モリタ 代表

 

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、DCA(確定拠出年金アドバイザー)
大学卒業後、コンピュータソフト会社、生命保険会社勤務を経て、1999年独立。保険や投資信託の販売をしない独立系のファイナンシャル・プランナー事務所としてコンサルティングを行っている。
お金の管理は「楽に、楽しく」、相談される方を「追い詰めない」のがモットー。情報サイト・新聞・雑誌への執筆多数。企業・学校・イベントで行うマネープランセミナー・講演も好評。

 

FPオフィス・モリタ http://okane-net.com/