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No.3935 中止されたイベントのチケットで税金が優遇されるとは?

 新型コロナウイルス感染拡大の防止に向けた政府の自粛要請を受け、多くの文化芸術・スポーツイベントが中止されています。楽しみにしていたイベントが中止になるのは残念ですが、収入を失うアーティストを心配する声も聞かれます。中止されたイベントのチケットをあえて払い戻さない人に税金が優遇される制度が新設されました。詳しい内容を確認していきましょう。

 

● 対象イベントは文化庁・スポーツ庁のHPで順次公表

 

 この制度は、政府の自粛要請等を受けて中止、延期又は規模を縮小した文化芸術・スポーツイベントについて、チケット等を購入した個人が払戻しを受けることを辞退した場合に、他の寄附金控除と同様の税負担の軽減を行う特例措置を講じることにより、文化芸術・スポーツ活動への支援の動きを後押しするものです。
 対象となるイベントは文部科学大臣が指定しますが、以下の全ての要件を満たすものとなります。

(1)
文化芸術又はスポーツに関するものであること

(2)
令和2年2月1日から令和3年1月31日までに開催された又は開催する予定であったものであること

(3)
不特定かつ多数の者を対象とするものであること

(4)
日本国内で開催された又は開催する予定であったものであること

(5)
新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置の影響により、現に中止等されたものであること

(6)
中止等の場合には、入場料金・参加料金等の対価の払戻しを行う規約等があるもの又は現に払戻しを行っているものであること

 対象となったイベント等は文化庁・スポーツ庁のHPで順次公表される予定です。

 

● 確定申告が必要

 

 チケット等の払戻しを受けずに寄附する場合、年間合計で20万円を上限に、所得控除または税額控除を利用することで税が優遇されます。
 多くの人で減税額が大きくなる税額控除では、寄附の合計額から2,000円を引いた額の40%分に当たる金額が、所得税から減税されます。例えば、10,000円のチケット代金を払い戻さずに寄附した場合の所得税の減税額は3,200円となります。
 (10,000円-2,000円)×40%=3,200円
 これに加えて住民税分も最大10%減税されるため、上の例では所得税と住民税を合わせて最大4,000円が減税されます。
 この制度を利用するには、イベントの主催者に連絡して、「指定行事証明書」と「払戻請求権放棄証明書」を入手し、確定申告をする必要があります。

 

● 払戻しを受けた人の寄附も対象に

 

 チケットを払い戻さなかった場合だけではなく、払戻しを受けた上で寄附をする場合も認められます。対象になるのは以下の要件を満たす場合です。

(1)
令和2年2月1日から令和2年10月31日までの間に払戻請求権の行使をした参加予定者であること

(2)
払戻請求権の行使をした日から令和3年1月29日までの間に、(1)で払戻しを受けた金額以下の金額を主催者に対して寄附したこと

 チケット代金の全額は無理だけと、半額くらいは寄附したいといった場合には、チケットの払戻しを受けた上で、その一部を寄附する方法も考えられます。
 寄附金控除を受けるための書類は主催者から発行されるので、いずれの場合も主催者への確認が必要になります。

 

 

2020.05.25

 

 

 

森田 和子(もりた・かずこ)

FPオフィス・モリタ 代表

 

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、DCA(確定拠出年金アドバイザー)
大学卒業後、コンピュータソフト会社、生命保険会社勤務を経て、1999年独立。保険や投資信託の販売をしない独立系のファイナンシャル・プランナー事務所としてコンサルティングを行っている。
お金の管理は「楽に、楽しく」、相談される方を「追い詰めない」のがモットー。情報サイト・新聞・雑誌への執筆多数。企業・学校・イベントで行うマネープランセミナー・講演も好評。

 

FPオフィス・モリタ http://okane-net.com/