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No.3955 先進医療ローンと自治体の支援

 医療技術の中には健康保険が適用されないものがあります。保険適用外の医療は、原則として自由診療となり医療費全体が自己負担となります。しかし、「先進医療」として認められるものについては、先進医療のみを自己負担とし、その他については保険適用することが認められています。
 先進医療の中には費用が300万円を超えるものもあり、患者の経済的負担は重くなりますが、先進医療を受ける場合に利用できるローンや、自治体の支援制度があるので確認していきましょう。

 

● 自治体による先進医療ローンの利子補給

 

 費用負担の重いイメージのある先進医療ですが、必ずしも高額になるわけではありません。医療技術によって違いがあり、数千円のものもあれば、重粒子線治療のように300万円を超えるものもあります。手持ちの資金では不足し、生命保険でカバーできない場合などにローンを検討することになります。
 先進医療の費用を融資するものとして、「先進医療ローン」、「先進医療費ローン」を扱う金融機関があります。目的を限らず利用できる無担保のフリーローンよりも金利が低く抑えられています。
 自治体の中には、先進医療ローンの利子を補給することで患者を支援するところがあります。例えば、東京都豊島区では、巣鴨信用金庫の「豊島区がん先進医療ローン」、または東京信用金庫の「がん先進医療ローン」を利用して、がん治療を目的とした先進医療を受ける豊島区民(1年以上在住・所得制限あり)を対象に、融資対象額300万円を限度として、利子相当額を補給します。患者は実質無利子で先進医療ローンを利用できることになります。
 神奈川県では、神奈川県民(1年以上在住)が、神奈川県立がんセンターで重粒子線治療を受けた場合に、35万円を限度に治療費を助成し、横浜銀行の「横浜銀行先進医療ローン」またはスルガ銀行の「神奈川県立がんセンター重粒子線治療プラン」を利用すると利子相当額を補給します。先進医療の費用全額が生命保険から給付される場合などは対象外です。

 

● 貸付制度のある医療機関

 

 医療機関の中には、独自の貸付制度を備えているところもあります。兵庫県立粒子線医療センターには、患者(国内在住1年以上・所得制限あり)を対象に、288万3千円を限度に無利子で粒子線治療料の費用を融資する制度があります。

 

 先進医療の費用を借りる場合には、先進医療ローンや、費用の助成、利子補給制度についての情報を集めることが重要です。治療を受ける医療機関、住んでいる自治体の情報を必ず確認して利用できる制度は利用し、少しでも経済的な負担を軽減するようにしてください。

 

2020.06.29

 

 

 

森田 和子(もりた・かずこ)

FPオフィス・モリタ 代表

 

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、DCA(確定拠出年金アドバイザー)
大学卒業後、コンピュータソフト会社、生命保険会社勤務を経て、1999年独立。保険や投資信託の販売をしない独立系のファイナンシャル・プランナー事務所としてコンサルティングを行っている。
お金の管理は「楽に、楽しく」、相談される方を「追い詰めない」のがモットー。情報サイト・新聞・雑誌への執筆多数。企業・学校・イベントで行うマネープランセミナー・講演も好評。

 

FPオフィス・モリタ http://okane-net.com/