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No.3675 大学無償化、2020年度導入予定

● 格差の固定を防ぐため、低所得世帯の高等教育進学を支援

 

 2020年4月より、一定所得以下の世帯の大学生、短大生、専門学校生は入学金や授業料が減免され、さらに給付型奨学金も大幅拡充される予定です。
 この支援の目的が「新しい経済政策パッケージ」(2017年12月8日閣議決定)の中において示されており、「大学等での勉学が就職や起業等の職業に結びつくことにより格差の固定化を防ぎ、支援を受けた子供たちが大学等でしっかりと学んだ上で、社会で自立し、活躍できるようになることである」としています。あわせて「貧困の連鎖を断ち切り、格差の固定化を防ぐため、どんなに貧しい家庭に育っても、意欲さえあれば専修学校、大学に進学できる社会へと改革する。所得が低い家庭の子供たち、真に必要な子供たちに限って高等教育の無償化を実現する」として、低所得世帯に向けた支援であることが表明されています。

 

● 学費の無償化と生活費の支援

 

 学費の支援としては、住民税非課税世帯(夫婦子2人、うち1人が大学生の場合、年収270万円未満)を対象に、進学先が国公立大学であれば、国立大学の授業料・入学金の標準額を上限として授業料が減免されます。私立大学は、国立大学の授業料標準額に加え、私立大学の授業料平均額との差額の1/2を加算した額が上限となり、入学金は私大の平均額を上限とします。短期大学、高等専門学校、専門学校も大学に準じます。
 具体的な金額は国公立大学で授業料約53.6万円、入学金約28.2万円、私立大学で授業料約70.7万円、入学金約25.3万円(※)程度になることが見込まれます。

文部科学省「私立大学等の平成28年度入学者に係る学生納付金等調査結果」をもとに試算。

 また、「住民税非課税世帯に準ずる世帯にも段階的に支援する」とされており、家族4人のモデル世帯で年収300万円未満は2/3、年収300~380万円未満は1/3の支援が予定されています。
 学費の無償化と合わせて、給付型の奨学金を大幅に拡充することも検討されています。給付型奨学金については、現在でも日本学生支援機構の実施する奨学金の一つとして設けられていますが、月額2~4万円の支給となっており、それだけで生活費を賄える金額とはいえません。
 これを「学生が学業に専念するために必要な生活費」まで拡充する予定です。日本学生支援機構の「学生生活調査」をもとに所要額を精査するとされているので、例えば下宿生が下宿に必要な生活費を賄える金額になることが予想されます。
 学費が無償になり、下宿の生活費も受け取れるとなれば、経済的に厳しい家庭の学生も進学しやすくなることでしょう。ただし、まだ確定されてはいないので、決定が待たれるところです(2018年11月26日現在)。

 

● 入学後の成績次第では打ち切りも

 

 高校在学時の成績、提出レポートや面談によって本人の学習意欲や学習状況を確認したうえで支援の対象者が決定されます。また、支援を受けた学生には「しっかり学ぶ姿勢」が求められるため、進学後に単位数の取得状況やGPA(平均成績)の状況、当該学生に対する処分等一定の要件を満たさない場合には支援を打ち切るとされています。
 進学先の学校にも、厳格かつ適正な成績管理を実施・公表していること、財務諸表、事業報告書、監査報告などを開示することなどが求められるので、志望校が支援を受けられる学校であるかも、事前に確認する必要があります。

 

2018.12.10

 

 

 

森田 和子(もりた・かずこ)

FPオフィス・モリタ 代表

 

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、DCA(確定拠出年金アドバイザー)
大学卒業後、コンピュータソフト会社、生命保険会社勤務を経て、1999年独立。保険や投資信託の販売をしない独立系のファイナンシャル・プランナー事務所としてコンサルティングを行っている。
お金の管理は「楽に、楽しく」、相談される方を「追い詰めない」のがモットー。情報サイト・新聞・雑誌への執筆多数。企業・学校・イベントで行うマネープランセミナー・講演も好評。

 

FPオフィス・モリタ http://okane-net.com/