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No.3697 個人事業者の納税猶予制度の新設

● 法人に続き、個人版事業承継税制を創設

 

 平成30(2018)年12月14日に平成31年度税制改正大綱が与党から発表され、新たに個人事業者の納税猶予制度が盛り込まれた。
 平成30年度税制改正において、法人の事業承継税制が抜本的に拡充されたことにより、法人向けの事業承継税制の認定申請件数は約10倍に増加している。
 個人事業者についても、高齢化が急速に進展し、事業承継が喫緊の課題となっていることを踏まえ、個人事業者の事業承継を促進するための相続税、贈与税の新たな納税猶予制度が創設される。

 

● 10年間限定の100%納税猶予制度

 

 この新たな納税猶予制度は、事業用の宅地に加え、事業用の建物及び一定の減価償却資産を対象として、10年間限定で相続税、贈与税が100%納税猶予される。
 具体的に対象となるのは、以下のような事業用資産である。

土地、建物(土地は400㎡、建物は800㎡まで)

機械、器具備品(工作機械、パワーショベル、診療機器 等)

車両・運搬具

生物(乳牛等、果樹等)

無形償却資産(特許権等)

 対象期間については、平成31(2019)年1月1日から平成40(2028)年12月31日までの間に行われる相続、贈与が対象となり、この納税猶予の適用を受けるためには、認定経営革新等支援機関の指導及び助言を受けて作成された特定事業用資産の承継前後の経営見通し等が記載された「承継計画」を、平成31(2019)年4月1日から平成36(2024)年3月31日までの間に都道府県に提出する必要がある。

 

● 適用に当たっての注意点

 

 この新制度の適用を受ける場合には、特定事業用宅地等について小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けることができない。
 また、納税猶予制度の対象資産は、青色申告書に添付される貸借対照表に計上されているものとされており、青色申告が条件となっていることにも注意が必要である。
 なお、今回の内容は国会を通過するまでは最終決定ではないので、ご留意頂きたい。

 

2019.01.31

 

 

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村田 直(むらた・ただし)
マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士

大阪府茨木市出身。大学卒業後、会計事務所勤務を経て現法人へ。平成22年3月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。

 

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