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No.3694 4月から大企業を対象に時間外労働の上限規制を導入

● 時間外労働の上限規制がスタートします

 

 時間外労働の上限規制が、大企業は2019年4月から、中小企業は2020年4月から導入されます。中小企業の範囲は、資本金の額または出資の総額、常時使用する労働者の数のいずれかが次の基準を満たしていれば該当します。
 小売業(5,000万円以下/50人以下)、サービス業(5,000万円以下/100人以下)、卸売業(1憶円以下/100人以下)、その他…製造業・建設業・運輸業・その他(3憶円以下/300人以下)。ただし、建設業、自動車運転の業務、医師など、一部の事業・業務については2024年3月末まで規制の適用が猶予されます。新技術・新商品等の研究開発業務については規制の適用が除外されています。
 時間外労働の上限は、原則として月45時間、年360時間(休日労働は含まず)とし、臨時的な特別な事情がない限りこれを超えることはできません。
 臨時的な特別な事情があって労使が合意する場合でも、
 ・年720時間以内
 休日労働を含めても、
 ・複数月(2~6カ月)平均80時間以内
 ・月100時間未満
を超える時間外労働は認められません。
 原則の月45時間を超えることができるのは、年間6カ月までとなります。
 なお、上記に違反した場合は 、罰則(6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金)が科されるおそれがあります。

 

● 必ず36協定を結びましょう

 

 法律で定められた労働時間は、原則として1日8時間、1週40時間以内とされており、毎週最低1回は法律で休日が定められており、これを超える場合は労使間で36協定(時間外労働、休日労働に関する協定)の締結、労働基準監督署長への届出が必要です(月45時間、年360時間を超える場合は特別条項付36協定)。自社においてきちんと締結されているのか確認しておきましょう。厚生労働省の「事業者のための労務管理・安全衛生管理診断サイト スタートアップ労働条件」で作成支援ツール、36協定届新様式が確認できます。

 

● 時間外労働、休日労働を最小限にとどめる工夫をしましょう

 

 36協定の範囲内であっても、使用者は労働者に対する安全配慮義務を負います。また、労働時間が長くなるほど過労死との関連が強まります。時間外労働がなるべく発生しないようにするため、変形労働時間制やフレックスタイム制、ワークシェアリングや時短勤務など柔軟な働き方の導入を検討しましょう。

 

● 休日労働も把握しましょう

 

 「複数月平均80時間」には休日労働を含みます。1カ月あたりの時間外労働が45時間を超過していなくても、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間それぞれの時間外労働と休日労働の合計の平均が80時間を超えていないか注意が必要です。

 

 

  改正前 改正後
法定時間 1日8時間
1週40時間
現行法と同じ
36

法定時間を超える場合の上限 法的な上限なし 法定上限の設定
月45時間、年360時間
特別条項の場合の上限 上限なし 法定上限の設定
①年720時間
②複数月平均80時間
③単月100時間未満
(②、③は休日労働含む)

 

  1. 【参照】厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」
    厚生労働省「事業者のための労務管理・安全衛生管理診断サイト スタートアップ労働条件」

 

2019.01.24

 

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半田 美波(はんだ・みなみ)

 

社会保険労務士
みなみ社会保険労務士事務所 代表、株式会社サンメディックス 代表取締役
診療所で医療事務職として勤務した後、医療法人事務長、分院の設立業務担当を経て、2003年に医療機関のサポート会社・(株)サンメディックス設立。2004年にみなみ社会保険労務士事務所を設立。医療機関に詳しい社労士として知られる。