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No.3696 海外に行くときにも税金が!「出国税」の徴収スタート

 2019年1月7日から「出国税」が導入されました。
 国税で徴収されるものとしては、1992年の地価税以来27年ぶりの新税です。出国税の概要や導入目的を見てみます。

 

● 出国税に対象になる人や税額は?

 

 新税の、正式名は「国際観光旅客税」。導入の背景は、「観光先進国実現に向けた観光基盤の拡充・強化を図るための恒久的な財源を確保する」としています(国税庁ホームページより)。平たくいえば、訪日観光客を増やすための財源を確保するということです。
 税の対象になるのは、日本から海外へ出国する人。海外からの観光客だけでなく、観光や出張で海外へ行く日本人も対象になります。ただし、乗継ぎなどで入国後24時間以内に出国する人や船舶・航空機の乗務員、2歳未満の子供などは対象外です。
 税額は1人につき1回1,000円で、航空会社や船舶会社が、チケット代金に上乗せするかたちで徴収します。ただし、プライベートジェットなど、自己所有の航空機などで出国する場合は、自分で納付することになります。
 1,000円という税額は、近隣のアジア諸国で類似の税が1,000円から2,000円程度の税額であることや、観光施策に関する財政需要を勘案して決められたとのこと。国際観光旅客税の導入により、年間で430億円程度の税収(※)が見込まれています。

 

 

● 税は外国人が快適に旅するための財源として

 

 2017年8月に、国土交通省(観光庁)から財務省に要望が出されてから徴収開始まで、約1年半というスピード導入の裏には、「次世代の観光立国実現」という大義があります。
 訪日外国人旅行者の数は、2007年では835万人。その後2011年は東日本大震災の影響からか622万人に落ち込んだものの、2012年以降は年々増加し2017年は2,869万人と過去最高を更新し、10年で3.4倍になりました。
 観光庁「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート(2017年)によると、外国人旅行者が困ったことの上位に「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない」「無料公衆無線LAN環境」「多言語表示の少なさ・わかりにくさ(観光案内板・地図等)」などが挙がっています。
 新税で確保した観光財源の使いみちの基本方針のひとつが、「ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備」というもの。政府は、訪日外国人旅行者を2020年4,000万人、2030年6,000万人の達成を目標にしています。
 日本を訪れる外国人旅行者の、旅行中の困りごとを解決し、満足感を得られる本物の「観光立国」になれるのかどうか、税金の使いみちを含め見守る必要があるでしょう。

 

2019.01.28

 

 
takahasi_photo

高橋 浩史 (たかはし・ひろし)
FPライフレックス 代表(住まいと保険と資産管理 千葉支部)
日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP®
1級ファイナンシャル・プランニング技能士

東京都出身。デザイン会社、百貨店、広告代理店などでグラフィックデザイナーとして20年間活動。
その後、出版社で編集者として在職中にファイナンシャル・プランナー資格を取得。2011年独立系FP事務所FPライフレックス開業。
住宅や保険など一生涯で高額な買い物時に、お金で失敗しないための資金計画や保障選びのコンサルタントとして活動中。
その他、金融機関や出版社でのセミナー講師、書籍や雑誌での執筆業務も行う。

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