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No.3699 時間外労働の上限規制、約46%の企業が対応

● 年次有給休暇の取得義務化は44.0%が対応

 

 日本商工会議所が1月9日に発表した「働き方改革関連法への準備状況等に関する調査」によると、「時間外労働の上限規制」について「対応済・対応の目途が付いている」と回答した企業の割合は45.9%、同様に「年次有給休暇の取得義務化」については44.0%、「同一労働同一賃金」については31.0%といずれも低い割合にとどまっており、対応が進んでいない企業がまだまだあることがわかった。
 同調査の対象は全国の中小企業2,881社で、調査の目的は本年4月から順次施行される働き方改革関連法に関する中小企業の認知度や準備状況、高齢者雇用に関する中小企業の現状や課題を把握することで、今後の政策提言・要望活動に活かすとしている。

 

● 法律の内容を知らない中小企業も多い

 

 準備が進んでいない理由の一つに、そもそも働き方改革関連法について知らない、よく理解していない企業が相当数あることも挙げられる。調査結果によると、法律の内容について「知らない」と回答した企業の割合は、「時間外労働の上限規制」が39.3%、「年次有給休暇の取得義務化」が24.3%、「同一労働同一賃金」が47.8%であった。本年4月から順次施行されるわけだが、施行時期について「知らない」と回答した企業は、順に33.7%、23.5%、49.6%であった。
 これらの認知度は、従業員規模で比較すると小規模のほうが低かったことから、とくに小規模企業における認知度をいかに上げるかが課題であろう。まずは4月に施行が迫った「年次有給休暇の取得義務化」について周知が求められるところである。

 

● 課題は人手不足がトップ

 

 「時間外労働の上限規制」と「年次有給休暇の取得義務化」への対応にあたっての課題として、「業務量に対して人員が不足している」「年末年始や年度末など、特定の時期に業務が過度に集中する」「組織間・個人間で業務量にムラがあり、特定の社員に業務が集中する」「取引先からの短納期要請や急な仕様変更等への対応」などの項目が上位を占めている。
 中小企業は業種を問わず人手不足の企業が多く、業務量が手一杯の状況にもかかわらず休暇を増やし、残業を減らすのは至難の業である。人手不足解消のためには、シニア人材や女性、外国人の労働力をもっと活用することはもちろんであるが、まだまだ合理化できていない業務の見直しも必要である。今まで当たり前にやってきていたことを思い切って大胆に変えていくことも求められるであろう。
 限られた労働力で働き方改革関連法に対応していくことは困難ではあるが、対応できていない職場環境では従業員も定着せず離職者も増えていく。さらにそれが業績悪化につながり負のスパイラルに陥るかもしれない。まだ働き方改革関連法への対応ができていない企業は、準備不足を謙虚に受け止めて、ただちに取り組み万全の態勢で4月を迎えられるようにしたいところである。

 

 

2019.02.04

 

 

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庄司 英尚(しょうじ・ひでたか)

株式会社アイウェーブ代表取締役、アイウェーブ社労士事務所 代表

社会保険労務士 人事コンサルタント

 

福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所(現・アイウェーブ社労士事務所)を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続き及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。

 

公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/