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No.3705 協会けんぽ、被扶養者資格再確認で17億円の負担軽減

● 約7.1万人の被扶養者を削除

 

 多くの中小企業の被保険者が加入している協会けんぽ(正式名称:全国健康保険協会)では、毎年6月から7月にかけて、健康保険の被扶養者となっている人が現在も適正な状況のままであるのか被扶養者資格の再確認を行っている。その案内は事業主宛に届き、同封の用紙に記載して協会けんぽに返送するという流れだ。
 平成30年度については、被扶養者資格の再確認に加えて、マイナンバーが収録できていない被扶養者のマイナンバーの確認も含めて実施されたが、先日、これらの結果を協会けんぽが公表している。
 この再確認作業によって被扶養者から除かれた人は約7.1万人(平成30年11月16日現在)で、これにより協会けんぽから高齢者医療制度への支援金負担が約17億円も軽減できる見込みだという。
 いずれにしても、事務担当者は正しい事務手続きを行う必要性を理解するとともに、社内の従業員から漏れなく被扶養者の削除を申し出てもらうための工夫を考えておきたいところである。
 なお、政府はこの15日に、マイナンバーカードを健康保険証として使えるようにするための健康保険法の改正を閣議決定しているが、今回の協会けんぽによる被扶養者のマイナンバー確認では、約234万人がマイナンバーを回答したそうだ。

 

● 就職した後の喪失届出忘れが大半

 

 今回の被扶養者資格の再確認において削除となった理由は、「就職したが削除する届出を年金事務所へ提出していなかった」というのが大半を占めている。また、収入超過による資格喪失というケースもあることから、健康保険の扶養の要件について事務担当者から従業員に周知徹底し、状況に変化があったらすぐに相談してもらえるような態勢にしたいところである。
 実際は扶養から外れているのに資格喪失届を出さずにそのまま被扶養者として保険証を使っていた場合、遡って被扶養者の認定が取り消されるとその保険者も医療費の精算をしなければならず、そのあとの手続きでは扶養者であった従業員も厄介なことになる。

 

● 会社独自でチェックすることも大切

 

 健康保険上の扶養と税務上の扶養の要件は違うわけだが、その点がよくわかっていない従業員も多い。扶養に関しての社内の手続きについてはわかりやすい簡単なリーフレットなどを配布して事例などを紹介しておいたほうがいいだろう。
 例えば、扶養していた子どもが4月から就職するのであれば、健康保険の被扶養者の削除手続きだけでなく、毎月支払う給与の所得税の控除額も変わってくる。また、会社が支給している家族手当の支給要件にも該当しなくなることもある。そこで、進学や就職の時期である4月に扶養の状況変化をチェックできる簡単なアンケートを社内で実施してみるのも一つの方法ではないだろうか。

 

 

2019.02.18

 

 

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庄司 英尚(しょうじ・ひでたか)

株式会社アイウェーブ代表取締役、アイウェーブ社労士事務所 代表

社会保険労務士 人事コンサルタント

 

福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所(現・アイウェーブ社労士事務所)を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続き及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。

 

公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/