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No.3708 子どもを守るために知っておくべきこと

 近年、日本では子どもの虐待に関するニュースが多くなってきました。ニュースを聞いて、心を痛めている人は少なくありません。私たちの身近で子どもの虐待がある――もしもそれを知ったときには、どのように対処すべきなのでしょうか?

 

● 虐待する親の特徴は?

 

 日本においても虐待の研究は進んでいるものの、一般社会では認知されていないことが多くあります。日本小児科学会では2014年に「虐待している保護者の特徴」をまとめていますので、参考にすると良いでしょう。
 主な内容としては――子どもの軽微な症状で、何度も外来や救急外来を受診する。以前から症状が出ているのに受診が遅れがち。医療スタッフに対して攻撃的。自分から状況を説明してくれなかったり、ごまかしや言い逃れをする。親から注意された子どもが「気をつけ」の姿勢を取る――などが挙げられています。
 これはあくまでも病院での対応なのですが、他のシチュエーションに当てはめて考えていくと、近年、報道で目にする虐待事例に当てはまる事柄が多いことが分かります。虐待する親は、時と場所と相手を選ばない人が多いということなのです。なかには世間体を気にして虐待を隠そうとする人もいますが、虐待のサインは見つけられるはずです。「自分の子どもだから親は何をしてもよい」「これは躾だ」という姿勢に屈することなく、周りの大人が子どもたちに目を配っていれば、虐待されている子どもを無事に保護できる可能性があるということを忘れてはなりません。

 

● 身近な子どもの様子を観察する

 

 児童虐待の定義は幅広く、暴行を加えるなどの身体的虐待、わいせつな行為をする性的虐待、子どもを家に残して度々外出するなどのネグレクト、暴言や拒絶的な対応などの心理的虐待があります。
 日本では当たり前のお留守番やお使いは、海外ではネグレクトとして扱われることもあります。たとえばニュージーランドでは、14歳未満の子ども(日本では中学生に相当する年齢)の場合、単独で留守番をさせることは禁止されており、留守番をさせる場合には14歳以上の信頼できる人間の保護下にあること、留守番の時間が長時間でないことなどが法で定められています。カナダでは、11歳以下の子どもに留守番やお使いをさせると、児童虐待として扱われることがあるなど、諸外国では厳しいルールがあり、それに沿って周りの大人たちが積極的に声掛けをしています。この習慣は日本でも根付いてほしいものですね。

 

 あまり知られていませんが、日本でも児童虐待の防止に関する法律等において、発見時には通告する義務があります。
 主なものとしては、身体、顔に不自然な打撲などのある、戸外へ放り出されている、家の中から助けを求める児童の悲鳴や泣き声、大人の怒鳴り声などをよく聞くなど、具体的な内容が鳥取警察署のホームページなどに明示されていますので、何が虐待に当たるのか、通報しなければならないのかを知っておくと良いでしょう。

 

● どこに相談したらいい?

 

 まず思い浮かぶのが児童相談所ではないでしょうか。自分はその子どもと関係がないからとためらうこともあるかと思いますが、不安な気持ちがあるのなら、とりあえず連絡をしてみることをお勧めします。
 その他、近所の交番へ相談に行く、警察に知らせるというのもありなのではないでしょうか。交番はその地域を巡回していますので、不審な動き等があったら虐待の現場を発見しやすくなります。
 また、警視庁の「ヤング・テレホン・コーナー」をはじめ、警察では専門ダイヤルを設けて相談を受け付けているところもあります。児童相談所への電話相談は、「189番」(全国共通)に連絡を。いずれも通報した人の秘密は守ることになっていますので、あなたの周囲で虐待の気配を感じているのなら相談してみましょう。

 

 

2019.02.21

 

 

飯田 道子(いいだ・みちこ)

 

海外生活ジャーナリスト/ファイナンシャル・プランナー(CFP)
  金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっている。主な著書には、「宅建資格を取る前に読む本」(総合資格)、「介護経験FPが語る介護のマネー&アドバイスの本」(近代セールス社)などがある。
  海外への移住や金融、社会福祉制度の取材も行う。得意なエリアは、カナダ、韓国など。