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No.3716 ネット炎上リスクへの対応は?

● ネット炎上リスクとは?

 

 昨今、飲食店などでの従業員の不適切な行動とその様子を撮影したSNSの投稿がきっかけで、炎上するケースが多発しています。ネット炎上リスクとは、このような不適切な投稿などによってそれを非難する投稿が殺到するリスクです。炎上によって、企業のWebサイトなどに批判や抗議が殺到し、サーバーの一時停止やサイトの閉鎖などに追い込まれることもあります。
 このリスクは3つの経路(①ユーザー、②企業のオフィシャルアカウント、③従業員個人)から発生するおそれがありますが、今回は特に従業員個人による炎上を取り上げます。一般に、従業員など個人のSNSには利用上の明確なルールがなく、個人の裁量のみでの自由な情報発信をおこなっているため、企業の側にとっては、従業員の不適切な投稿などの炎上のきっかけをすべて防止するのは事実上不可能ともいえます。
 SNSでの書き込みについては、一度発信した情報は消せないということを前提する必要があります。なぜならSNSには、前述のとおり情報を簡単に拡散できるような機能(ツイッターのリツイートやフェイスブックのシェア)などが付いているものがあるからです。また、一度インターネット上に開示された情報はスクリーンショットなどで記録されてしまうと、その情報までは消せなくなってしまいます。そのため、不適切な発言などをおこなった結果、批判が殺到した場合、その情報を消したつもりでも、実際には完全に消すことはできないという状態になります。

 

● 企業のネット炎上リスク対策

 

 企業におけるネット炎上リスク対策は、

① 
ネット炎上を防止のための予防(事前対策)

② 
リスクを早期に検知するため、ネット上の書き込みを監視するモニタリング(平時対策)

③ 
リスク発生時に危機管理のための対応(危機対応)

と大きくは3つに分かれます。
 まず、予防(事前対策)としては、従業員等のSNSの利用実態の調査、社内のリスクマネジメント体制の構築、従業員教育の計画と実施、ネット炎上対策マニュアルの作成、モニタリングの運用方法の整備を行います。平時の対策としては、ネット炎上のきっかけとなり得るものをいち早く発見するため、インターネット上の書き込みを監視するモニタリングを実施します。
 また、万一炎上トラブルに発展したときは、危機対応として必要な謝罪や再発防止策の検討を行います。また、悪質な書き込みが行われた場合は、当該サイトやまとめサイトなどに転載された情報の削除申請をプロバイダ等に行い、風評被害によって企業が受ける損害を軽減する必要があります。

 

● ネット炎上リスクへの保険での対応

 

 自社にとって何らかのネガティブな投稿を察知しても適切な緊急対応を取れずにいると、被害がさらに拡大し続け、それが株価などにも影響を与えかねません。しかし、炎上の原因はさまざまであり、SNSが普及している昨今では、未然に防ぐことは困難です。そこで、炎上が発生した場合に、その被害を最小限に抑え迅速かつ適切な対応をとるために要する費用を補償する保険(ネット炎上対応費用保険など)も登場しています。この保険では、企業に関するネガティブな情報がSNS等で拡散または拡散するおそれが発生した場合に、企業が支出する炎上の拡散防止やメディア対応に要する費用が補償されます。

 

<ネット炎上リスクに対応した保険の例>
対象となる費用 (1)炎上対応費用
原因調査費用、コンサルティング費用、炎上拡散防止に要する費用、 超過勤務手当、コールセンター設置費用 など
(2)メディア対応費用
メディア対応のコンサルティング費用、各メディアへの広告掲載費用など
自動付帯サービス (1)ネット炎上対応支援
(2)緊急時マスコミ対応支援

 

 また、生命保険の募集人の方は、このような損害保険の話から生命保険の話につなげることも可能です。(詳しくは以下の書籍が参考になります。ただし、今回のテーマは収録されていません)

 
 

 

【参考情報】

 
 
違いを生み出すファーストアプローチ
定価 1,188円(税込)
A4判/72ページ
http://www.fps-net.com/shopping_03304509.html

 

 
 
違いを生み出す生損保リスクチェック
定価 1,188円(税込)
A4判/80ページ
http://www.fps-net.com/shopping_03304710.html

 

 

2019.03.07

 

 

水谷 力(みずたに・ちから)

株式会社セールス手帖社保険FPS研究所
1級ファイナンシャル・プランニング技能士/生涯学習開発財団認定コーチ
大手保険会社在職中にFP資格やコーチング資格を取得。現在は各種執筆活動などをおこなっている。著書には、「違いを生み出すファーストアプローチ」「違いを生み出す生損保リスクチェック」(いずれもセールス手帖社保険FPS研究所)ある。