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No.3717 社会人の学び直しの支援拡大か?

● 雇用保険にはスキルアップ支援の制度もある

 

 労働者が失業した場合の生活保障等を行う雇用保険には、スキルアップを支援する制度もあり、一定の条件を満たすと、資格取得講座等の受講費の一部が給付されます。この教育訓練給付が、政府の掲げる「人づくり革命」の構想のもと、さらなる拡大が検討されています。

 

● 教育訓練給付で受講費の20~70%が支給される

 

 雇用保険の教育訓練給付とは、労働者の主体的な能力開発の取組み又は中長期的なキャリア形成を支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的として、教育訓練施設に支払った費用の一部を支給するものです。
 厚生労働大臣が指定する資格取得講座等の一般教育訓練を受けて修了すると、支払った受講費の20%が支給されます。ただし、4千円以下は対象外で、支給の上限金額は10万円です。例えば、雇用保険に加入する会社員が受講費50万円を支払い、指定講座を修了すれば50万円の20%にあたる10万円が支給されます。
 対象になる人は下記(1)(2)のいずれかで、一般教育訓練を修了した人です。

(1)
雇用保険の被保険者
(受講開始日に雇用保険の被保険者期間が3年以上ある等の条件を満たした人)

(2)
雇用保険の被保険者であった人
(失業等で雇用保険の被保険者ではない期間が1年以内で、それ以前の雇用保険の被保険者期間が3年以上ある等の条件を満たした人)

 また、一般教育訓練よりも専門的な専門実践教育訓練を受けた場合には支払った受講費の50%、上限120万円が支給され、受講後1年以内に資格を取得すれば、さらに受講費の20%が支給されます。例えば、受講費160万円を支払い専門実践教育訓練の指定講座を修了すれば50%にあたる80万円が支給され、1年以内に資格を取得すれば、さらに20%にあたる32万円が支給されるので、合計では受講費160万円の70%にあたる112万円が支給されます(失業中であった人は一定期間内に再就職する等の条件を満たす必要があります)。

 なお、厚生労働大臣が指定する教育訓練講座は、インターネット上の検索システムで確認することができます。

 

● 人生100年時代を迎えてリカレント教育を推奨

 

 政府は学校教育を終えてからの学び直しであるリカレント教育を後押しする方針です。2018年6月に開催された人生100年時代構想会議の配布資料である「人づくり革命 基本構想案」では、「リカレント教育は、人づくり革命のみならず、生産性革命を推進するうえでも、鍵となるものである。リカレント教育の受講が職業能力の向上を通じ、キャリアアップ・キャリアチェンジにつながる社会をつくっていかなければならない」とあります。また、「一般教育訓練給付については、対象を拡大するとともに、ITスキルなどキャリアアップ効果の高い講座を対象に、給付率を2割から4割へ倍増する。特に、文部科学大臣が認定した講座については、社会人が通いやすいように講座の最低時間を 120 時間から 60 時間に緩和する。あわせて、受講者の大幅な増加のための対策を検討する」としています。

 

 検討内容の実現が待たれますが、現在の制度でも社会人の学び直しが支援されます。キャリアアップを目指して上手に利用したいものです。

 

2019.03.11

 

 

 

森田 和子(もりた・かずこ)

FPオフィス・モリタ 代表

 

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、DCA(確定拠出年金アドバイザー)
大学卒業後、コンピュータソフト会社、生命保険会社勤務を経て、1999年独立。保険や投資信託の販売をしない独立系のファイナンシャル・プランナー事務所としてコンサルティングを行っている。
お金の管理は「楽に、楽しく」、相談される方を「追い詰めない」のがモットー。情報サイト・新聞・雑誌への執筆多数。企業・学校・イベントで行うマネープランセミナー・講演も好評。

 

FPオフィス・モリタ http://okane-net.com/