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No.3727 1年後、大企業で始まる「同一労働同一賃金」とは?

● 非正規雇用労働者の待遇差の解消を目指す

 

 働き方改革関連法が成立したことで、「同一労働同一賃金」について企業側に求められるルールが厳しくなるが、そもそも同一労働同一賃金とは何か。2020年4月より大企業(中小企業は2021年4月より)に適用になる同一労働同一賃金について、基本事項を確認するとともに今後の企業側の対応についてまとめることとする。
 同一労働同一賃金とは、同じ労働に従事する労働者にはその雇用形態にかかわらず同じ賃金を支給するという考え方のこと。同一労働同一賃金導入の目的は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間における不合理な待遇差の解消を目指している。
 厚生労働省は同一労働同一賃金のガイドラインを早い段階から公開してきており、また事業主向けの支援も含めて同省のホームページ内に特集ページを設けるなど積極的に情報発信している。また、最近になって同一労働同一賃金に関する裁判案件が増えてきており、その判決はメディアで詳しく取り上げられるようになった。非正規雇用労働者の間でも関心が高まっているので、企業側もしっかりと対応をしていかなければならない。

 

● 同一労働同一賃金で企業側がなすべきこと

 

 同一労働同一賃金のルールを簡単にいうと、仕事の内容も、携わる人の経験・能力も同じなら、正規・非正規という理由で賃金差をつけてはならないということだ。そこでまず、自社においてそのような状況はないか確認し、あれば是正していくことが第一歩となる。
 例えば賞与の支給についても今後トラブルになる可能性があるので注意したい。国は会社の業績等への労働者の貢献に応じて支給するものについては、正社員と同一の貢献をしている短時間労働者・有期雇用労働者も、貢献に応じた部分については同一の支給をしなければならないとしている。また、貢献に一定の違いがある場合においては、その相違に応じた支給をしなければならないとしている。
 なお、同一労働同一賃金のルールは、賞与はもちろんのこと、基本給、昇給、各種手当といった賃金にとどまらず、教育訓練や福利厚生等についても及ぶので、気づいたら提訴されてしまっていたというようなことのないようガイドラインなどから基本的なことを理解し、行動に移したい。
 企業側ができることとして、仕事の区分を明確にすることがまず必要である。仕事の質、難易度、その役割、責任の重さなど細かく整理して、使用者は労働者に基準となるものを示し、労働者が納得できるものにしないといけない。
 さて、今回の法改正を受けて非正規労働者の待遇改善をしなければならないという企業においては、人件費の面でかなり厳しくなり、一人あたりの生産性のアップがより一層求められることになる。中小企業にとっては対応が難しいところもあるが、ITの活用により業務の自動化、業務ソフトの見直し、アウトソーシングの効率的な活用により大胆に改革することも同時に行っていくことが望ましいといえる。

 

 

2019.04.01

 

 

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庄司 英尚(しょうじ・ひでたか)

株式会社アイウェーブ代表取締役、アイウェーブ社労士事務所 代表

社会保険労務士 人事コンサルタント

 

福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所(現・アイウェーブ社労士事務所)を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続き及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。

 

公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/