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No.3732 「成年年齢の引き下げ」により何が変わる?

 民法の一部を改正する法律が成立したことにより、2022年4月より成年年齢が引き下げられます。これにより、2022年4月1日の時点で18歳以上20歳未満の方(2002年4月2日生まれから2004年4月1日生まれまでの方)は、その日に成年に達することになります。
 また、2004年4月2日生まれ以降の方は、18歳の誕生日に成年に達することになります。成年年齢の見直しは、明治9年以来で、実に140年ぶりだそうです。成年年齢の引き上げにより変わる主なポイントは、以下の通りです。

 

親の同意を得ずに様々な契約ができるようになる

例:
スマートフォンの契約、アパートを借りる、クレジットカードを作成する、ローンを組む など

女性の結婚年齢が16歳から18歳に引き上げられる(男女ともに結婚できるのは18歳になる)

自分の住む場所や進学先・就職先などの進路を自分で決めることができる

10年有効のパスポートを取得できるようになる

公認会計士や司法書士、医師免許や薬剤師免許などの国家資格の取得が可能になる

 

 一方、民法の成年年齢が引き下げられても、これまでと変わらないものもあります。例えば、飲酒や喫煙については、これまで通り20歳からとなります。そのほか、競馬や競輪、オートレースなどの公営競技の投票権(馬券)を買うことも20歳にならないとできません。

 

● 消費者トラブルに巻き込まれないためには?

 

 成年年齢の引き下げにより、消費者トラブルへの懸念が高まっています。民法には、未成年者が親の同意を得ずに契約した場合には、原則として、契約を取り消すことができる未成年者取消権があります。ところが成年年齢の引き下げにより、18歳や19歳の人が未成年者取消権を行使できなくなるため、キャッチセールスやマルチ商法といった悪質商法の被害に巻き込まれることが懸念されています。
 こうした被害に遭わないためには、どうしたらよいのでしょうか。
 万一トラブルに巻き込まれた場合には、消費者庁の相談窓口として、消費者ホットライン(188番)が設置されています。
 一方、被害を未然に防ぐための教育も大切なことです。消費者自身が契約に関する知識を学び、トラブルに遭わないための自己防衛策を講じておくことが、身を守る手段となります。そこで重要な位置づけとなるのが、学校の授業における消費者教育です。教育を通して、自ら解決策を導き出せるためのスキルを身につけることが望ましいと考えます。

 

 また、親自身も、消費者問題ついて関心を持つべきだと思います。社会経験の乏しい子どもに対して、契約をする際の注意点や、万一トラブルに遭った場合の対応方法などを、子どもが未成年のうちから家庭で話し合っておくことが、トラブルを回避するための最も効果的な方法ではないでしょうか。

 

 

2019.04.08

 

 

 

小澤 美奈子(おざわ・みなこ)

K&Bプランニング代表 ファイナンシャルプランナー(AFP)/ライター
 
法政大学卒業後、損害保険会社にて、人材教育部門で社員教育・研修講師など約12年間勤務の後、外資系損害保険会社で営業職に就く。ファイナンシャルプランナー取得後は、独立系FP事務所、住宅メーカーを経て独立。
Webや書籍などで記事執筆、セミナー講師、個人向けコンサルティングを行うほか、フォトライターとしても活躍。趣味はカメラ。
 
ホームページ http://kandbplanning.org/