1. FPS-Club HOME > 
  2. 今週のトピックス > 
  3. No.3738 [改正]個人住民税の配偶者控除・配偶者特別控除

No.3738 [改正]個人住民税の配偶者控除・配偶者特別控除

● 改正された配偶者控除・配偶者特別控除の個人住民税への初めての適用

 

 令和元年(2019年)度の個人住民税の課税は平成30年(2018年)分の収入に対して行われるが、平成29年度税制改正による新しい「配偶者控除・配偶者特別控除」の控除額が初めて適用されることとなる。所得税ではすでに適用が開始されているが、今年の納税については住民税にも適用されることとなるので、昨年に続いて、再度、手取額に変動がある人も出てくると考えられる。

 

● 改正後の配偶者控除・配偶者特別控除の適用要件

 

 配偶者控除について、改正前では納税者の所得に関係なく、配偶者のその年の合計所得金額が38万円以下であれば、納税者の課税所得を計算する際に配偶者控除額を控除することができたが、改正後は納税者の所得要件が設定され、たとえ配偶者の合計所得金額が38万円以下であっても、納税者の合計所得金額が1,000万円超では適用対象外、900万円超1,000万円以下では従来よりも控除額が減額されている。
 配偶者特別控除についてはもともと納税者の合計所得金額が1,000万円以下であることという所得要件があったが、さらに合計所得金額によって控除額が細分化される改正が行われ、納税者・配偶者ともに所得水準が変わらないにもかかわらず、控除額が減少するような事例もあり得る。ただ、その一方、配偶者の所得要件の範囲が従来の「38万円超76万円未満」から「38万円超123万円以下」に拡大されたことで合計所得金額76万円以上の層において適用対象者が増加するとともに、住民税の場合では合計所得金額が90万円までであれば控除額の最高額が適用でき、配偶者がより多くの所得獲得に向けて取り組みやすいように対応されている。
 配偶者の働き方について、配偶者控除や配偶者特別控除を意識してきた納税者も多いと思われるが、今回の改正でどのような影響を受けるのかについて、この機会に再度確認してもいいかもしれない。

 

● 個人住民税に適用される、改正後の配偶者控除・配偶者特別控除の概要

 

 さて、配偶者控除・配偶者特別控除の適用要件は所得税・住民税ともに同様となるが、実際に控除される控除額は相違するので確認しておきたい。
 配偶者控除の控除額について納税者の所得によって、所得税では13万円(老人控除対象配偶者の場合(以下同様)16万円)、26万円(32万円)、38万円(48万円)の適用となるが、住民税は下表のとおり11万円(13万円)、22万円(26万円)、33万円(38万円)の適用となっており、所得税の場合よりも低い控除額となっている。同様に、配偶者特別控除の控除額も納税者の所得により、所得税が38万円~3万円、26万円~2万円、13万円~1万円の所定の金額であるのに対して、住民税は33万円~3万円、22万円~2万円、11万円~1万円の所定の金額に設定されている。

 

【個人住民税における改正後の配偶者控除・配偶者特別控除額一覧表】

 

 

 ご自分の場合どのような適用となるのかについて、実際に把握してみてはいかがだろうか。従来配偶者特別控除の対象外だった人が適用対象になったなどにより、思わぬ減税効果が得られるかもしれない。

 

 すでに平成30年度税制改正にて決定済みのことであるが、令和2年(2020年)以降の給与収入や所得を対象として給与所得控除や基礎控除などの見直しが行われるなど、引き続いて大きな改正の施行が控えている。ご自分の収入が今後どのような影響を受けるのかを考える良い機会となるのではないかと思われる。

 

2019.04.18  

(セールス手帖社 堀雅哉)