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生前の整理が事業承継対策のキモ
マネーコンシェルジュ税理士法人 代表社員/税理士 今村 仁
■ 事業承継の取り組みは進んでいない
  2012年の帝国データバンクによると、社長の平均年齢は現在約60歳で、日本の人口構成と比例して年々上昇しています。また、2005年の三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)によると、後継者を既に決めている会社のうち、事業承継の準備について「何もしていない」「準備が不十分」という回答が合計80%となっています。
  つまり、日本の経営者(特に中小企業)は年々高齢化しているにも関わらず、ゴーイングコンサーンに通常必要な事業承継の準備はあまり前進していないということです。
■ 生前の整理が事業承継対策のキモ
  事業承継にあたって、子どもなどを後継者に考えている経営者に出来るだけ早く進めておいてほしいのが、以下の3つの整理です。
(事業承継を円滑に進めるための3つの事前整理)
1. 株式の整理
2. 資産・負債の整理
3. 関係会社の整理
■ (自社)株式の整理
  これは、現在の経営者(以下、現経営者)が元気なうちに、なるべく(出来れば2/3以上)自社の株式を現経営者又は後継者に集中させておく、ということです。よくあるのは、過去の商法制度や相続、中には他社との株式持ち合いなどで、自社株式が社長等以外の人や会社に散在しているケースです。現経営者が元気なうちは、会社が乗っ取られたり経営の舵取りに対して直接文句を言われたりなどの弊害はないでしょうが、事情を知らない後継者だけとなった場合にはそもそも会社の存続が厳しくなることもあります。
  現経営者の目が黒い内に、株式持ち合いの解消、株式の買い取り、名義株の整理を、必ず実行しておくようにアドバイスをお願いします。このとき同時に、「決算における法人税申告書別表2」の株主一覧をきちんと修正しておくことも重要です。
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