|
もしあなたが現金1億円を相続して、「相続税を2,000万円払ってください」といわれたら、払いたくないかもしれませんが払うことは現実的に可能です。また、1億円の評価となる土地があって、同様に「相続税を2,000万円払ってください」といわれたら、時間と費用はかかりますが、売却できれば相続税を払えます。ケースによっては物納も可能かもしれません。
では、中小企業における未上場の自社株を後継者が相続して同様に「相続税を2,000万円払ってください」といわれたら…、通常そのままでは現実的に払うことができません。
会社に現預金があれば会社に買い取ってもらうという方法もありますが、上場株のような市場性は皆無ですので、他に売却できる可能性はほぼありません。また、経営権を考えれば後継者が自社株を手放すことは不可能というケースも多いでしょう。一方、納税猶予という新税制(平成27年以後に改正されますが、この原稿では改正前を想定しています)もありますが、物納と同様、あまり現実的ではありません。
つまり、中小企業の未上場株式については相続税を払えるだけの担税力が実質的にはないといえます。
|
|