Home > 税と社会保障 > 税理士から見た生命保険販売のツボ

中小企業が知っておくべき、海外の話  その3 
マネーコンシェルジュ税理士法人 代表社員/税理士 今村 仁
  第1回では、「政府によるインバウンド・アウトバウンド戦略の歴史」や「中小企業の東南アジア進出の留意点」をいくつかご紹介しました。また第2回では、海外展開の中で人材にまつわるものとして、「現地外国人労働者の採用や育成」と「日本人駐在員に対して是非実行すべきこと」などをお伝えしました。
  海外シリーズの最終回では、中小企業の海外展開支援研修の弁護士さんによるセミナーで「私がメモした項目」をいくつか皆さんとシェアしたいと思います。
海外進出では「冒認登録」に注意!
  冒認登録(冒認出願)とは、日本企業の商標やドメイン、著作権、デザイン(意匠)、ノウハウ、商号等を冒用(ボウヨウ=無断不正使用)して登録することです。例えば、ロゴマーク等の商標権等は国ごとに登録が必要となりますが、どこの国でも登録費用はそれほど高くありません。
  海外進出を検討し始め、海外現地視察などを行い色々と名刺交換をすると、その後、日本に帰ってからどこからか不思議なメールが届くことがあります。内容は、「その海外進出予定の商標が既にその海外進出予定の国で他社によって取得されていて、和解金を払う等対策が必要だ」というようなもので、海外の調査会社が出所であったりします。
  つまり、これから海外進出を検討している会社からお金を引き出すために、それほど費用の高くない商標登録をその会社に先んじて海外の現地の会社が行うという、とんでもない輩が存在するのです。
  海外進出を真剣に検討されている会社は、現地視察をしながらも脇はしっかりと引き締めておくようにしましょう。
冒認登録されたらどうするか?
  とはいえ、冒認登録されたらどうしたらいいのでしょうか。
  「その権利を買い取る」というのが、一番わかりやすい解決策ではないでしょうか。
  但し買い取るにもテクニックがあります。例えば、いきなり日本企業が出て行って「買い取ります」なんていうと、日本より所得の比較的低いアジア等では相対的に高値買いになる可能性が高いです。そこでまずは現地企業を新たにつくって、現地企業同士で交渉する方が一般的にはいいでしょう(バックに日系企業がいるのではと勘繰られても現地企業同士で交渉したほうが得な場合が多いそうです)。
※ これ以降は会員専用ページです