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第133回
パートの厚生年金加入問題における注意点
社会保険労務士 桶谷 浩
●パート・アルバイトの厚生年金加入対象者を拡大する動き
  「パートタイマーら非正規雇用労働者への厚生年金や健康保険の適用拡大に関し、政府・民主党は3月13日、対象者を当面『従業員数501人以上の企業で勤続1年以上、週20時間以上働き、年収94万円(月収約7万8000円)以上の人』(約45万人)とすることを決めた」
  という報道がなされました。現在は国会で法案を審議中の段階ではありますが、パート・アルバイト等非正規労働者への厚生年金・健康保険の加入条件の拡大の動きは、当初予定していた対象範囲より大きく後退したものとなりそうです。
  そうなると、どうしても我々が気になるのが、「パート・アルバイトが厚生年金に入る損得」という話です。企業側は適用労働者の範囲の拡大には強く反対するでしょう。会社負担が増え確実に人件費が上がるわけですから。企業として支払った増加分が売上増加などの目に見える見返りとして戻ってくることはありませんのでなおさらです。特に今回対象となる予定のパート・アルバイトを多数雇っているスーパーマーケットや外食産業は、かなりの痛手になるので強硬に反対するでしょう。
  では、これを働く側から見たらどうでしょうか?
  厚生年金は、払ったお金に見合う元が取れないとよく言われますが、どの程度のメリットがあるものなのでしょうか。
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