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ここでAさん、Bさん、Cさんの3名に登場してもらいます。
Aさん:昭和15年5月1日生(定額部分、報酬比例部分ともに60歳から支給開始)
Bさん:昭和26年5月1日生(定額部分はなし、報酬比例部分は60歳から支給開始)
Cさん:昭和36年5月1日生(年金は65歳から支給)
※いずれも2歳年下の専業主婦の妻あり。
3人とも、20歳から60歳までの40年間を平均標準報酬月額30万円(賞与3.6カ月)で働いたとすると、おおよそ102万円の厚生年金になります。定額部分は78万円(老齢基礎年金もほぼ同額の78万円)ですので、厚生年金と合わせて年額で180万円、月額で15万円の年金となります。
なおこの数字は、特例水準や経過的加算の話などを無視しています。そもそも60歳になった時点で適用される計算式(スライド等を含む)は年齢が違えば異なりますから、あくまで「理論的に状況を比較するため現時点における計算式でのシミュレーションの数字」とご理解ください。
65歳になるまでの年金は、以下のようになります。
Aさん:60歳から180万円の年金+加給年金39万円(219万円の年金を受け取ります)
Bさん:60歳から報酬比例部分のみの102万円の年金を受け取ります
Cさん:受け取ることのできる年金は全くありません
60歳からの5年間の年金受取額累計は、Aさん1,095万円(219万円×5年間)、Bさん510万円(102万円×5年間)、Cさん0円です。
夫婦2人が平均より少し質素な生活をしたとして、1カ月の生活費が25万円、年間300万円としましょう。必要額は、5年間で1,500万円です。
不足額は、Aさんは405万円、Bさんは990万円、Cさんは1,500万円(全額)になります。退職金の平均額が1,800〜2,000万円程度として、もし何もしないのであればCさんは65歳という老後の入口で退職金の7〜8割ほどを使ってしまう計算になります。
これではとても、その後の老後の生活が成り立ちません。
夫が67歳になるころからは2歳年下の妻が国民年金を受け取り始めるため、夫婦合計、つまりその家庭の受け取る年金額は増額し、厳しい状況は少し改善するかもしれませんが、それまでの間にごっそりと蓄えを減らしてしまうことは大問題です。
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