Home > 税と社会保障 > 知ってビックリ!年金のはなし

第176回
時事ネタで障害年金の復習
社会保険労務士 桶谷 浩
● 報道の独り歩き?
  耳の聞こえない人が数々の名曲を世に送り出し、「現代のベートーベン」と称賛されていましたが、実はゴーストライターによる作曲ということが一部マスコミによって暴露され、世間を賑わしています。この原稿を校正している時点では、誰の作品かということより、現代のベートーベン氏が本当に耳が聞こえなかったのかどうかに関心が集まっています。
  そこで、生命保険セールスの現場において知識を持っているとたいへん有利となる「障害年金」についてこの旬の話題を教材として今回は取り上げます。
  事件の是非について論じるわけではありませんので、その点、誤解がないようにお願いします。
  さて、一部報道でこの方が仮に障害年金額をもらっているなら「最大170万円」というように報じられたようですが、私は一瞬その金額に「えぇっ!?」と戸惑いました。しかし、どうもよく読んでみると、あくまでも仮定に仮定を積み重ねたものであり、なおかつ後で解説するように非常にその確率は低いものでしたが、心配していた通り、「年金は170万円」ということをネット上で「あたかも既定事実のように」語っていらっしゃる方もいて、これは困ったことだと思いました。年金の誤解はこういうところから始まるのですね。これを機にきちんとした知識を身につけましょう。
※ これ以降は会員専用ページです