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第201回
国民年金保険料納付と税金の関係
社会保険労務士 桶谷 浩
● 国民年金保険料は「稼いでいる人が負担」が原則
  国民年金保険料は、その納付額全額が社会保険料控除となるため、お得なことは皆さんご存じのとおりです。しかし、払い方や払う時期によって微妙に税額が異なることまでご存じでしょうか?
1.主婦の保険料は夫が負担する
  「あれ!? サラリーマンの妻の保険料は第3号被保険者といって負担はないのだろう」と単純に思っていらっしゃる方は多いですね。はい、確かに原則はそうです。
  一般的にはサラリーマンの妻は第3号被保険者と考えてもよいのですが、ならない例外もあるのです。以前、国民年金の任意加入を取り上げた際にも触れましたが、改めてご説明します。
  夫がサラリーマンで厚生年金に加入していたとしても、妻は60歳までしか第3号被保険者になれません。妻がその後も続けて保険料を払うためには(ただし、40年未満の加入要件が必要)、国民年金に任意加入しないとなりませんが、その場合はサラリーマンの専業主婦の妻自身に保険料負担が発生します。
  また、夫と妻の年齢差が7歳あり、夫が定年のない会社役員あるいは専門職で腕を見込まれて会社に65歳以降も残っているような場合もレアケースが発生します。この夫には70歳まで厚生年金の加入義務がありますが、夫が65歳になった時点で妻は58歳です。第3号被保険者になれるのは夫が65歳までですので、妻はそれから2年間は第1号被保険者期間になり、この間、妻自身で保険料を負担する必要があります。
2.働いていない子供の保険料を親が負担
  上記1のケースと同じです。ただし、20歳以上の学生さんは学生時代の保険料は納付猶予を受けられるので、猶予を選択している場合は別ですが、納付していたとしたらその保険料は誰が負担しているのでしょうか。一般的には学生に負担能力はなく、当然親が負担している訳で、国税当局のいう「納税者が自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合」に該当していると思われます。親が一定以上の所得を得ているなら、保険料を親が負担しその分を社会保険料控除の対象として申告すれば税金を安くすることができます。
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