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第211回
住民票添付にみるマイナンバーの混乱
社会保険労務士 桶谷 浩
● 住民票は添付しなければならないのですが…
  年金事務所には仕事上頻繁に足を運ぶのですが、最近、年金事務所の壁にこのような張り紙がされています。
  「年金事務所へ提出される住民票はマイナンバーが記載されていないものをお持ちください」
  張り紙は1枚ではなく複数枚ペタペタと貼っているところもあり、年金機構のウェブサイトにも同じお知らせが出されています。
  https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2015/201510/1007.files/1007.pdf
  ご承知の通り、マイナンバーは、「税と社会保障での利用」を目的に今年1月から運用が開始される予定でした。ところが、社会保険(年金・健康保険)については、日本年金機構の情報漏れ事件が起きたため開始当初の1月からマイナンバーは使用せず、年金事務に関してのマイナンバーの利用は当面見送りということになりました。
  そんな細かい話を一般の国民はあまり知りません、情報遺漏が起こる前はあれだけ税と社会保障に使うという前宣伝を大々的にしていた訳ですから、「年金制度を取り扱う日本年金機構は当然マイナンバーの取扱者となる」と思っているでしょう。
  社労士仲間からの情報によると、マイナンバーが記載された住民票を添付して窓口で年金請求手続を行った場合、請求書類の受取は拒否されないのですが、マイナンバーの記載部分のみを隠して一旦コピーをとり、原本は請求者にお返しするという処理を行っているそうです(注:このような運用を全国の年金事務所で一律にやっているかどうかは不明です。事務所によっては再取得を指示されるかもしれません)。
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