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第214回
確定年金と公的年金との連動・上手な使い方
社会保険労務士 桶谷 浩
● ある単身女性のご相談
  女性が老後を過ごす期間は非常に長く、女性の平均的な死亡年齢は89歳。65歳から実に約24年の長さになりますから、公的年金の重要性はとても高いと言えるでしょう。
  特に単身者の場合は、配偶者の存在による遺族年金の給付等は考えられませんから全てを自分自身の年金に頼らざるを得ず、受け取る年金額の重要性はさらに増すことになります。
  先日お会いした方はそのような単身者の方でしたが、ご自身の老後に対して経済的な面での不安を強く持たれていました。
  会社勤めが長く、年金見込み額は厚生年金が年間約60万円(月額5万円)、国民年金が約78万円(月額6.5万円)の合計11.5万円でした。
  厚生年金60万円という額は、女性としては悪くない水準の金額です。
  標準報酬額26万円(年収316万円)で35年勤務していた場合にほぼこの年金額になります。総合職ではなく一般職であれば大体この程度の水準になろうかと思われます。
  260,000円×5.481/1000×12か月×35 年= 598,525 円
  女性の年金水準としては悪くないとはいえ、実際に月額11.5万円の公的年金だけで老後を迎えるのは、それ以外に貯えがないとなると、不安を感じてもおかしくありません。
  その方はその不安を正直におっしゃっていましたが、反面老後についての考え方がとてもしっかりしていらっしゃる方でした。
  「私は、個人年金と財形年金に加入しており、そのどちらも60歳から70歳までの10年間の確定給付です。これを生かすために公的年金は繰下げ受給で増額をしたいのですが、そのしくみと損得および手続き方法を教えてください」とのこと。
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