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生命保険契約は役員退職金として支給可能。
受け取った役員個人にとってどのような
メリットがあるか、お知らせしよう!
税理士/マネーコンシェルジュ税理士法人 村田 直
■  役員退職金を「生命保険証券」で支給する
  役員が退職する際、一般的には「最終報酬月額×勤続年数×功績倍率」等の計算式で算出した金額が、税務上役員退職金として妥当な金額とされています。
  さて、退職金の支給原資を生命保険で準備されている場合、退職金の支給方法は、法人契約の生命保険契約を解約し、その解約返戻金を役員退職金の支払いに充当する方法が一般的ですが、他にもう1つ方法があります。それは、生命保険契約を解約せずに、名義変更(法人契約→役員個人の名義に契約者を変更する)という形で勇退する役員に退職金の全額またはその一部として、生命保険契約を現物支給する、つまり、生命保険証券の所有権を移す方法です。
  一般的には、前者がオーソドックスな方法ですが、後者の名義変更タイプを選択することも可能であり(そのためには株主総会の決議が必要ですが)、受け取った役員にとってはその生命保険を有効活用できるのが魅力です。
  名義変更時点での解約返戻金相当額が退職金の全額または一部となることから、生命保険契約の現物を受け取る場合でも、役員への課税は現金で受け取った場合と同様に、退職所得として退職所得控除、1/2課税、分離課税の恩恵を受けることができます(ただし、在任年数5年以下の法人の役員等については、1/2課税は適用対象外)。
  法人側の処理としては、解約返戻金相当額を役員退職金として計上し、生命保険料の資産積立部分があれば、それを取り崩して差額を雑収入または雑損失として処理しますので、結果的には生命保険契約を解約して役員退職金を支給した場合と同じ処理になります。ただし、源泉所得税が発生する場合には、その分を役員から徴収する必要があります。
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