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個人事業主の強い味方、けっこうお得な国民年金基金
日本アクチュアリー会 正会員/年金数理人 中林 宏信
本連載では、中小企業が陥りやすい従業員退職金準備制度における「困った!」を取り上げ、企業年金の専門家であり、年金数理人、アクチュアリーでもある筆者が、解決策も含め解説していきます。
● 中小企業の従業員にもお勧めできる国民年金基金
  今回は「国民年金基金」制度を取り上げます。前回取り上げた小規模企業共済と同様に個人事業主等が加入できる制度で、税制優遇があるお得な制度として有名な制度です。ただ、国民年金基金には、20歳以上60歳未満の国民年金の第1号被保険者と60歳以上65歳未満の国民年金の任意加入被保険者が加入できるとされています。
  従業員5人未満の事業所や従業員5人以上でも、農業・ホテル・弁護士・神社等の一定の業態の事業所は厚生年金保険への加入は任意となっていますので、厚生年金保険に加入していない事業所の従業員にもお勧めすることができます。
  国民年金基金は、国民年金に加え、所得等に応じて加入口数や給付の型を自らが選択することにより、老後の所得保障の充実を図ることを目的とした制度ですが、同様の制度として、月額400円納付して200円×納付月数分の年金額が上乗せされる付加年金もあります。両方に加入することはできません。どちらかというと、国民年金基金の方が、給付・掛金ともに加入できる金額の範囲が広く、生命保険と組み合わせやすい制度といえます。
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