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第3回
「相続の分割対策に生命保険を活用する」
一般社団法人日本想続協会 代表理事/税理士 内田 麻由子
  育児に積極的な男性(メンズ)を略して「イクメン」といいますが、最近は、孫の育児を積極的に楽しむおじいちゃんを「イクジイ」と呼ぶそうです。
  今月は、そんな「イクジイ」として奮闘中のお客さまの相談事例を通して、相続の分割対策における遺言と生命保険の活用法と、相続対策をするときの注意点についてみていきましょう。
● 長男夫婦と同居しているが、相続対策はどうすればいいの?
  和夫さん(70歳)は、妻の弘子さん、長男、長男の嫁、孫2人の合計6人で東京郊外に住んでいます。昨年、長男のところに2人目の孫が生まれたのを機に、自宅の敷地に二世帯住宅を建てて、長男夫婦と同居することにしたのです。和夫さんには、長男のほかに長女と次女がいますが、いずれも独立して家庭を持っています。
  和夫さんの財産は、自宅の土地・家屋4,000万円と、預金2,000万円の合計6,000万円です。ほかに、妻の弘子さんを受取人とする終身保険(保険金額1,000万円)に入っています。なお、妻の弘子さんの財産は、5年前に親からの相続があったため、預金が3,000万円あります。
  和夫さんは、漠然と「将来的には自宅の土地・家屋については、同居している長男に遺したい」と考えています。しかし「うちには大した財産もないし、子どもたちも仲がいいから、私には遺言など必要ないだろう。それにまだまだ元気なのだから、遺言など早い」と思っていました。
  ところが、懇意にしているファイナンシャル・プランナーから「相続対策は元気なうちに始めた方がいいですよ」とアドバイスを受けた和夫さん。自分の相続について、ファイナンシャル・プランナーに相談しながら考えてみることにしました。
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