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源蔵さん(60歳)は、妻・長男とともに、鎌倉で和菓子店を営んでいます。昔ながらの手づくりの和菓子は、地元の人や観光客に喜ばれています。小さいころから両親の背中を見て育った長男は、東京の大学を卒業後、源蔵さんの知り合いの店で5年間修業し、3年前から後継者として和菓子づくりと経営を学んでいます。後継者がおらずに廃業する同業者もいるなか、源蔵さんは「長男が後を継いでくれてワシは幸せものじゃ」と、いつも妻と話しています。妻も、「あとはいいお嫁さんが来てくれるといいのだけど・・・」と、長男に明るくプレッシャーをかけています。
源蔵さんがひとつだけ心配なことといえば、将来の相続のことです。源蔵さん夫婦には、長男のほかに、サラリーマンの次男と、小学校教師の三男がいます。相続で子どもたちがもめることなどなく、後継ぎの長男が和菓子店を続けていけるようにしておきたいと考えています。
源蔵さんの財産は、鎌倉の自宅土地4,000万円、自宅家屋300万円、預金700万円、有限会社になっている和菓子店の自社株7,000万円(株主は100%源蔵さん)の、合計1億2,000万円です。相続人は、妻・長男・次男・三男の4人です。
源蔵さんは、自宅の土地・家屋と預金(合計5,000万円)は妻へ、自社株(7,000万円)は長男へ遺したいと考えています。でもそうすると、次男と三男には何も遺すものがありません。何かいい方法はないでしょうか。
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