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第6回
「相続時精算課税制度とセットで生命保険を納税資金にする」
一般社団法人日本想続協会 代表理事/税理士 内田 麻由子
  お彼岸には家族でお墓参りをするという方も多いことでしょう。いつも見守ってくれている亡き人に感謝し、家族と共に過ごすかけがえのないひとときを大切にしたいものです。
  今月は、「相続時精算課税制度」で生前贈与するとともに、相続時の納税資金を生命保険で準備する事例についてみてみましょう。
● 兄の死をきっかけに、相続対策を考えるように……
  幸司さん(75歳)は、3年前に妻に先立たれてからは、都内の一戸建てで一人暮らしです。料理が得意な幸司さんは、長男・長女・次女の3人の子どもたち家族を時々自宅に招いては、子どもたちや孫たちに自慢の料理をふるまうのを楽しみにしています。
  半年前に兄を亡くした幸司さん。兄の死をきっかけに、自分の相続についても考えるようになりました。役員まで務めた会社を70歳で退職した幸司さんの財産は、自宅1.3億円(土地1億円・家屋3,000万円)、預貯金8,000万円の合計2億1,000万円です。
  幸司さんは、自宅については、都内の賃貸マンションに暮らす長男へ相続させたいと考えています。長女と次女はそれぞれ嫁いでおり、すでに自宅があるためです。長女と次女へは、ある程度の現金を生前贈与したいと考えています。
  生前贈与には「暦年課税制度」と「相続時精算課税制度」という2つの制度があるとのことですが、幸司さんはどちらを使ったほうがよいのでしょうか。また、相続税の納税資金はどのように準備しておけばよいのでしょうか。
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