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第8回
「駐車場を売却して納税資金を生命保険で準備する」
一般社団法人日本想続協会 代表理事/税理士 内田 麻由子
  週末に可愛らしい七五三姿のお子さんを目にしました。お客様のなかには、お孫さんの七五三を一緒にお祝いしたという方も多いのではないでしょうか。
  今月は、駐車場を売却して相続税の納税資金を生命保険で準備する事例についてみてみましょう。
● 駐車場の相続をどうするか?
  綾乃さん(70歳)は東京郊外で、長女・長女の夫・孫2人と暮らしています。夫は10年前に亡くなりました。子は長男・次男・長女の3人です。孫は3人の子にそれぞれ2人いて、合計6人です。
  綾乃さんの財産は、自宅1億円(土地8,000万円・家屋2,000万円)、アパート1億円、駐車場7,000万円、預金3,000万円の合計3億円です。
  綾乃さんは、自宅とアパートについては同居している長女に相続させ、駐車場と預貯金については長男・次男に相続させたいと考えています。しかし、長男・次男は遠方に住んでおり、東京の駐車場を相続しても管理ができません。兄弟で不動産を共有にすると後々なにかと面倒であるとも聞きました。そのため、駐車場を売却して現金を長男・次男へ相続させるか生前贈与することも検討したいと思っています。
  相続税の納税資金についても考えておかなければなりません。現状の相続税を税理士に試算してもらったところ、相続税の総額は約3,540万円にもなるとのことです(平成27年以降の基礎控除で計算。自宅土地は同居する長女が相続し「小規模宅地の評価減の特例」を適用。以下同じ)。相続税の軽減についても何か方策を考えたいところです。
  さて綾乃さんは、どのような相続対策をすればよいのでしょうか。
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