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第9回
「相続後に発生する税金・費用を生命保険で準備する」
一般社団法人日本想続協会 代表理事/税理士 内田 麻由子
  お正月は、離れて暮らす家族が実家に集まり、賑やかに過ごすというご家庭も多いのではないでしょうか。家族でゆっくり話ができる貴重な時間を大切にしたいですね。
  今月は、相続後の税金・費用を生命保険で準備する事例についてみてみましょう。
● 怪我をきっかけに、長女との同居を検討
  淑子さん(80歳)は、5年前に夫を亡くしてから東京郊外の一戸建てに1人暮らしをしています。子供は、都内のマンションで夫と暮す長女と、大阪に嫁ぎ義父母と同居する次女の2人です。淑子さんは、3ヶ月前に家の中で転んで足を骨折してしまいました。入院中は、長女が毎日のように病院に来てくれました。退院後も、長女が週2回のペースで通って来てくれて、通院や家事などを手伝ってくれています。
  社交的で友達づきあいも多い淑子さんでしたが、骨折してからは家事や外出がおっくうになり、気持ちもふさぎこみがちになってしまいました。そんな母親の様子を心配した長女が「お母さん、一緒に住みましょうよ」と言ってくれました。長女の夫も同居に賛成してくれています。長女夫妻は、淑子さんを自分達のマンションに呼び寄せるよりも、淑子さんが住み慣れた家で暮らしたほうがよいだろうと、淑子さんの家で同居してもよいと言ってくれています。
  淑子さんは、怪我をしたのをきっかけに、自分の相続についても考えるようになりました。自宅を含めた財産を、2人の娘たちにどのように遺せばよいのか。来年(平成27年)から相続税が増税になると新聞で読んだが、わが家の場合はどのくらい相続税がかかるのか。自宅を売却した場合の税金や費用はどのくらいになるのか――。淑子さんは長女と一緒に、税理士に相談してみることにしました。
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