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第10回
「“一代飛ばし”で孫へ財産を遺すことで
相続税を軽減する」
一般社団法人日本想続協会 代表理事/税理士 内田 麻由子
  2014年12月30日に、2015年度(平成27年度)税制改正大綱が発表されました。資産税関係では、「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度」の創設、「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税制度」の延長・拡充、「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度」の延長など、生前贈与を後押しする内容となっています。
  今月は、資産家のご家庭において、祖父から孫へ一代飛ばしで財産を遺すことにより、相続税を軽減する事例についてみてみましょう。
● 父も息子も資産家の場合の相続は?
  横浜市内に住む正和さん(80歳)は、上場企業の役員まで務めた後、現在は若い経営者の育成と慈善活動に力を注いでおり、充実した毎日を過ごしています。妻は5年前に他界しました。正和さんの財産は、自宅や有価証券・預貯金・生命保険など合計で約2億円です。
  一人息子の達也さん(55歳)は、30代で起業し、現在は経営者として多忙な日々を送っています。達也さんは10年前に離婚しており、2人の息子(いずれも20代)はすでに独立しています。達也さんの財産も、都内の自宅や自社株・預貯金・生命保険などで約2億円あります。
  達也さんは、自分に十分な財産があるため、さらに父から2億円の財産を相続すると、自分が死んだときに2人の息子が払う相続税が増えてしまうことを心配しています。そのことを父に相談すると、父から「それでは、私の財産を2人の孫に相続させてはどうか」と提案されました。そこで、孫へ財産を遺す方法について、税理士に相談してみることにしました。
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