Home > 税と社会保障 > 不動産売却は保険提案のチャンス!

第1回
不動産の売却にはこれだけの費用がかかる
一般社団法人日本想続協会 代表理事/税理士 内田 麻由子
  相続対策の1つとして、遺産分割資金や納税資金の準備のために、不動産の売却代金を原資に生命保険に加入する方法があります。お客様が不動産を売却するときは必ずキャッシュが生まれますので、保険提案の最大のチャンスです。当連載では、主に相続対策や相続後の場面において、どのようなお客様が、どのような理由で不動産を売却しているのかを、事例を交えてご紹介していきます。
  なお、不動産を売却する際にかかる諸費用および税金等を差し引いた手取り額が、保険料の原資となりえます。そこで、第1回・第2回では、不動産売却の基礎知識として、売却時の実務と税務について解説します。第1回は、不動産売却の実務と売却時にかかる費用についてご一緒に見ていきましょう。
● その不動産が「売れる商品」になっているか
  お客様が不動産を売却するときの最大の関心事は、「いくらで売れるのだろうか?」ということではないでしょうか。しかし、その前にまず大切なのは、売ろうとしている不動産が果たして「売れる商品になっているのか?」ということなのです。何十年もそこに住んできた本人(売り主)にしてみれば、売れて当然のことと思うかもしれませんが、買い主にとって不動産は大きな買い物ですから、慎重にならざるを得ません。
  「登記簿謄本に記載されている土地の面積は正しいのか?」
  「建物を建てる上で制限はないのか?」
  「近隣とのトラブルはないか?」
  など、買い主の疑問や不安を解消することができてはじめて、「売れる商品」と言えるのです。
  不動産を売却する際には、まずは信頼できる不動産業者に、不動産の調査をきちんとしてもらうことが大切です。そして、売却までにかかるおよその時間と費用をあらかじめ見積もっておく必要があります。充分な調査をせずに、安易に売り出し価格を決めてしまうと、あとで思わぬ費用がかかったりして後悔することがあります。
  それでは、具体的に、不動産を売却する際にどのような費用がかかるのかを見ていきましょう。
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