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脳出血
株式会社査定コンサルティング 代表取締役 上田 香十里
脳出血とは、脳の中の血管が破れて脳内(大脳、小脳および脳幹の脳実質内)に出血した状態のことをいい、脳内血腫による圧迫症状および頭蓋内圧亢進症状を示す疾患です。意識障害、運動麻痺、感覚障害などの症状が現れ、血腫が大きくなると脳浮腫によって頭蓋内圧が高くなって脳ヘルニアを起こし、重い場合は脳幹部が圧迫されて死に至ることもあります。
■高齢と高血圧は脳出血の最も重要な危険因子
  脳出血は、日中の活動時に突然の頭痛、意識障害がおこり、共同偏視・片麻痺などの局所神経症状が数時間以内で完成します。頭痛の程度は血腫の部位と大きさにより種々です。脳出血の局所神経症状である共同偏視とは、両眼が水平あるいは一方向へ持続的に偏位している状態をいいます。脳出血の眼症状として、被殻出血は病巣側への共同偏視、視床出血は内下方への共同偏視(鼻先凝視)が見られます。また運動障害として対側の片麻痺を起こすのは、被殻出血と視床出血です。
  脳出血の原因としては高血圧が大部分を占めます。他の原因には動静脈奇形・脳腫瘍からの出血・動脈瘤破裂・もやもや病などがあります。脳動脈は他の動脈に比べ、壁の厚さ・中膜筋細胞が少なく、外弾性板がなく外膜結合組織に乏しいため、圧に対する壁変化が生じやすいのです。そのため、高血圧に起因する動脈壊死を起こした血管が破れることにより脳出血が起こります。脳出血は女性よりもやや男性が多く、欧米に比べアジアの方が発生率が高いといわれています。
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