Home > 医療・介護・相続等の現場 > 契約不成立を減らすための医学知識

サヴァン症候群
株式会社査定コンサルティング 代表取締役 上田 香十里
6月現在、「サヴァン症候群」の主人公が事件を次々と解決していくという刑事ドラマが民放で放映されており、視聴率もよいようです。
  サヴァン症候群(savant syndrome)とは、発達障害、知的障害や自閉症を抱えつつも、芸術や数学などの特定の分野にかぎって天才的能力を発揮する人たちをいいます。たとえば写真を一瞬見ただけで、その写真の細部にわたるまで詳細に描き直すことができたり、書籍、円周率、電話帳などを暗唱できたり、並はずれた暗算をするなどです。
■特定分野の天才
  「サヴァン」とは、フランス語で「賢人」という意味です。1887年にJ・ラングドン・ダウン博士により「イディオ・サヴァン(天才的白痴)」と名付けられました。かの膨大なエドワード・ギボン著の「ローマ帝国衰亡史」を一字一句違わずに諳んじ、さらには全く逆から読んで見せる常軌を逸した記憶力を持つ男の話を、ラングドン博士は驚きと共に症例報告しています。イディオ・サヴァン症候群は、のちにサヴァン症候群とよばれるようになりました。
  一般的にサヴァン症候群は男性に多く、全世界でも数十名ほどしかいないとされています。サヴァン症候群の原因は諸説あります。解明すべき謎が多く残されていますが、現在では、左脳の損傷によるという説が有力視されています。
  医師で作家の米山公啓氏は、「記憶力が非常に優れている、計算などの数学的な能力が非常に高い、など特定の分野において並はずれた能力を発揮します。一方で、自閉症や知的障害により、他人とうまく話せないなど、コミュニケーション障害の人が多いのが特徴です」とサヴァン症候群を解説しています。
※ これ以降は会員専用ページです