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C型慢性肝炎
株式会社査定コンサルティング シニアアドバイザー 上田 香十里
  慢性肝炎とは、肝臓の持続性炎症が6ヶ月以上続く病態を言います(脂肪肝、肝硬変、原発性胆汁性肝硬変や原発性硬化性胆管炎などを除外する)。日本では慢性肝炎の70%強がC型肝炎ウイルス(HCV)、約20%がB型肝炎ウイルス(HBV)によるものと言われています。
■肝炎から肝硬変、肝細胞がんへと進展
  B型肝炎・C型肝炎ともに慢性化後、肝炎の炎症状態が継続すれば、徐々に線維化が進み肝硬変へ移行します。線維化の進行により肝機能が徐々に低下し、結果として肝不全に至ります。また、細胞分裂を繰り返すことで発癌のリスクが高まります。
  C型肝炎ウイルスは、1989年米国のチュー(Que Lim Choo)らによって発見されました。従来からA型肝炎とB型肝炎についてはよく知られていましたが、それ以外のウイルス性肝炎は非A非B型肝炎と呼ばれていました。この非A非B型肝炎と診断されていた患者の9 割以上およびアルコール性肝障害と診断されていた症例の半数以上が、C型肝炎ウイルスによる肝障害であることが判明しました。
  現在、日本のHCVキャリア患者数は150万〜200万人と推定されています。HCV感染が一度成立すると、健康成人への感染であっても、急性の経過で治癒するものは約30%で、感染例の約70%でHCV感染が持続し慢性肝炎へと移行します。慢性化した場合、ウイルスの自然排除は稀であり、HCV感染による炎症の持続により肝臓の線維化が起こり、肝硬変や肝細胞がんへと進展します。
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