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半身まひ(要介護4)で自宅介護
ファイナンシャル・プランナー/蓋INKS 代表 山田 静江
脳梗塞の後遺症で左半身まひ(要介護4)、自宅で家族と同居し介護
かかる費用[月額]:
介護保険サービスの負担: 限度額内(1割負担) 計 約31,000円
超過分(全額負担) 約102,500円
<内訳>
  デイサービス(月13日) 1割負担 約13,000円
  デイケア(月9日) 1割負担 約12,000円
  訪問介護(月21日) 1割負担 約 3,000円
  〃 10割負担 約102,500円
  レンタル費(ベッド、車椅子、歩行器など)
1割負担 2,000円
  紙オムツ・リハビリパンツ 1割+10割負担 約3,000円
デイサービス・デイケアでの食費・雑費(実費) 約17,000円
医療費 約 5,000円
※このほか、食費(介護食品購入費)、水道光熱費等がかかっている。
■ 働きながら自宅で介護
  東京近郊のT市にお住いの本木美代子さん(55歳・仮名)は、脳梗塞による片まひで、要介護4となった母親のとよさん(80歳・仮名)を、ご主人や娘さんたちの手助けを受けつつ、フルタイムで働きながら自宅で介護しています。
  元は別に暮らしていましたが、お父さんが亡くなりひとり暮らしでは心もとないからと、同居するようになりました。
  倒れた日の朝食では、とよさんはお味噌汁をこぼすなど、後から考えれば前兆のようなものはあったのですが、その頃の美代子さんには脳梗塞に関する知識がほとんどなかったので、手が滑ったのだろうくらいにしか思いませんでした。そのことが今でも悔やまれます。夕方から気分が悪いからちょっと横になると寝込んだものの、翌朝には動けなくなっていて、救急車で近くのいつも通っている病院へ搬送してもらいました。
  病院では脳梗塞と診断され治療しましたが、左半身にまひが残りました。入院して1カ月半を過ぎた頃から、「まもなく入院の期限が来るので退院していただきます、退院後はすぐに自宅で介護するか、介護施設や有料老人ホームに入所するか決めてください」と言われました。
  とよさんが自宅に戻りたいと希望していることもあって、美代子さんは施設でリハビリを受けてもらってから自宅で介護すると決めて準備に取り掛かりました。
  まずは、退院後にリハビリ(生活リハビリ)をする病院や施設選びです。病院から紹介された候補の中から、見学に行って自宅からそれほど遠くない病院併設の老人保健施設を選びました。
  自宅については、とよさんの部屋をフローリングにして、トイレ、お風呂、玄関をバリアフリーにリフォームしました。総費用は約300万円かかりました。お風呂やトイレは設備を一新して広くするなど全面的な改修になったため、水回り関係は特にお金がかかりました。
  途中、リハビリしている老人保健施設のケアマネさんなどに見てもらって位置を決め、廊下に手すりを取り付けました。
  病院での入院2カ月、老人保健施設でのリハビリ3カ月を経て、とよさんは自宅に戻ってきました。
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