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パーキンソン病(要介護5)で自宅介護
ファイナンシャル・プランナー/蓋INKS 代表 山田 静江
パーキンソン病で寝たきり(要介護5)、自宅で家族と同居し介護
かかる費用[月額]: 
介護保険サービスの負担:限度額内(1割負担) 計 約10,000円
<内訳>
訪問入浴(月4回)1割負担 約6,000円
レンタル費(ベッド、体位交換器、スロープなど)1割負担 約4,000円
医療保険の自己負担(公費負担以外) 11,500円
衛生用品など、自己負担のもの 10,000〜15,000円
光熱費など 5,000〜10,000円
■ 脳梗塞と診断されていたが、実はパーキンソン病
  埼玉県で建築関係の仕事を開業している戸田康雄さん(49歳・仮名)とその妻でパート勤務の悦子さん(49歳・仮名)は、今年の半ばに5年に及んだ介護生活を終えました。康雄さんの父親の信人さん(享年77歳・仮名)を看取ったのです。長かったような短かったような5年間でした。
  信人さんは70歳を超えた後から、身体の異常を訴えるようになりました。6年ほど前のことです。診察を受けたところ、医師の診断は軽い脳梗塞で、投薬を受けながら様子を見ることになりました。ところが、投薬治療を受けているにもかかわらず、症状が悪化。身体がこわばったり手足がしびれるような感覚があり、歩行などの動作が困難に。もともと無口でしたが、病気がひどくなってからはほとんど話さなくなり、1年ほどの間に要介護3、そして要介護4になってしまいました。
  要介護4になって家の中での移動も難しくなってきたので、週のうち3〜4日は信人さんをデイサービスに預けていました。そのとき、ヘルパーさんに「脳神経外科で、一度精密検査した方がいいのでは? お父様の状態は脳梗塞ではなく、パーキンソン病特有のものだと思いますよ」と言われました。
  そこで別の病院に連れていくと、パーキンソン病という診断。脳梗塞だと診断されて血栓を溶かす薬を飲んでいたのですが、原因がパーキンソン病ならよくなるはずはありません。初期では似たような症状が出るのかもしれませんが、まさか誤診とは思いませんでした。
  パーキンソン病は、神経伝達物質の一つであるドーパミンが減少することで起こると考えられている神経変性疾患の1つですが、その原因はまだよくわかっていません。薬物治療のほか、手術治療もありますが、完治することは難しく、進行を止めたり病状を緩和したりすることしかできません。国から「難病医療費等助成対象疾病」に指定されています。
  状態がよくならないまま、どんどん食が細くなって栄養が取れなくなったことから、信人さんのじょくそう(床ずれ)が悪化し、昨年初めに約2カ月入院することとなりました。
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