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肛門管癌で手術、放射線治療
ファイナンシャル・プランナー/蓋INKS 代表 山田 静江
肛門管癌で10日間入院して手術、退院後は通院して放射線治療
かかった費用: 
<入院前の検査>
MRI検査・CT検査・内視鏡検査(2回) [血液検査を除く]
約8,000円〜約10,000円 /回
血液検査等 43,760円
小計 約61,760円
<入院・手術>(7〜8月合算)
入院期間中の医療費等の負担 135,408円
入院雑費 (入院前…タオルやサンダル、肌着等購入)
(入院中…飲料水、TVカード等購入)
10,455円
6,531円
小計 152,394円
<退院後の通院治療・検査>
放射線治療 (延べ28回…9月、10月、11月合算)
139,928円
放射線治療の副作用に対する治療 (投薬料等含む)
21,590円
手術の翌年の検診 (年2回)
29,440円
(血液検査2回、CT検査2回、内視鏡検査1回、CEA検査等)
小計 190,958円
<発症に伴う雑費>
ウォシュレット取り替え 80,000円
合計 (2011年5月〜2012年12月)
約485,112円
■ 定期健康診断で大腸に初期の癌を発見
  自営業の松田景子さん(52歳・仮名)は、50歳になった頃、体重が数ヵ月で2〜3キロ増加し始めました。日常の生活、食事の量も特別に変わったわけではなく、仕事も忙しかったため、「更年期で太ってきたのかな?」と、あまり気にしないで過ごしていたそうです。
  それが大きな病気の初期症状だったとわかったのは、毎年受けている健康診断のときでした。もともと、景子さんは先天性の心臓疾患があり、20歳の時に完治と診断されてからも健康診断は毎年欠かさず受けていました。それまでの健診結果は、心臓の手術をしているため心電図上の軽い所見のみで、他は全てAでした。
  しかし、2011年4月の健診結果は、「便潜血が陽性、大腸の判定E 精密検査を要する」。大きな病院への紹介状まで同封されていました。5月の連休明けには内視鏡検査で評判が高いS病院で検査を実施しましたが、検査結果を知らされないまま設備の整った病院での受診を勧められ、その場でY病院のK先生を予約。その翌日にはY病院で受診することになりました。
  Y病院では、まず「問診票」の記入から始まりました。最後の項目は、悪性新生物の場合の告知について。覚悟はできていたので、景子さんは告知欄の「悪性新生物などの病気が判明した場合、ご本心への告知を希望されますか」の欄は迷わず「はい」を選択しました。
  大腸系の病気では、必ず内視鏡検査を行います。先端に小型カメラが付いている内視鏡という細長い管状の医療機器を肛門から入れて行う検査で、痛みが伴い非常に辛いものです。前の病院でも検査を受けていましたが、病院を変わったことで再検査となりました。
  6月中旬からは、MRI検査、CT検査、血液検査、内視鏡検査と検査漬けの日々でした。さらに、過去に心臓手術をしているため、心エコー検査も加わりました。ようやく検査結果が全て揃い、肛門管癌で進行度は「ステージT」と告げられました。幸いなことに肛門管癌が9o程度の時期に発見されることは極めて稀とのことでした。早期発見できたことに安堵はしましたが、検査結果が揃うまでの3週間余りの時間は景子さんにとって途轍もなく長く感じられたそうです。
  手術前の検査にかかった費用は、6万円強でした。高額療養費の自己負担限度額の範囲内だったため健康保険からの戻りはありませんでした。
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