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要介護状態になった親を高齢者住宅に入居させる
ファイナンシャル・プランナー/蓋INKS 代表 山田 静江
高齢者住宅で、生活支援サービスと介護サービスを受ける
かかる費用[月額]: 
高齢者住宅の費用
計190,400円
<内訳>
家賃
管理費
上乗せ介護費
サービスパック
食費(1,800円/日)×30日)
イベント費
65,000円
25,000円
35,000円
10,500円
54,000円
900円
介護保険サービスの負担:限度額内(1割負担) 約13,500円
<内訳>
  入浴介助 週3回、 生活支援(買い物、洗濯、掃除等)
通所リハビリ
医療費 約 4,000円
■ うつ症状から、要介護1に
  首都圏に在住の中村友子さん(73歳・仮名)は、夫が3年前に亡くなってから一戸建て住宅で一人暮らしをしていました。夫婦で生活していた頃の友子さんは活動的で、友人とスポーツしたり、おしゃべりしたりして楽しそうに過ごしていたそうですが、夫の死後、親族に不幸が続いたこともあって、友子さんは外出が億劫になり自宅に引きこもるように…。
  きれい好きだった友子さんが掃除をほとんどしなくなり、一人息子の中村喜一さん(48歳・仮名)が母親の友子さんの様子を見に実家を訪れるたびに、明らかに台所が汚くなっていくのがわかりました。それと歩調を合わせるかのように、友子さんのふさぎこみがどんどん深くなっていくことを喜一さんは心配していました。とはいえ、電話では数日おきに話していたので、元気で暮らしているものと思っていました。
  異変に気付いたのは半年ほど前です。喜一さんが久しぶりに実家を訪ねると、複雑に絡み合った異臭が家中に充満していました。洗面所には洗濯物があふれ、窓を閉めて電気も付けない部屋で、友子さんはじっと座っていました。ここ数日、体調が悪く、下痢が止まらないのだそうです。
  あわてて、かかりつけの病院に連れていくと、下痢と栄養失調で体力が低下しているとの診断でした。特に原因となる病気はなく認知症でもありませんが、軽いうつ症状がありました。足が弱っているので一人での生活は難しいようです。友子さんも自宅で一人暮らしは不安でいやだと喜一さんに訴えます。
  しかし、喜一さんは妻と子どもとマンション暮らしをしており、余分な部屋がなく、まだ子どもも小さくて手がかかるため、友子さんとの同居は無理です。病院からは入院は長くても1週間と言われているので、それまでに何とかしないといけないと喜一さんはあせりました。
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