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狭心症で冠動脈ステント留置術
ファイナンシャル・プランナー/蓋INKS 代表 山田 静江
■ 胸の痛みを感じて検査を受ける
  野村宏さん(53歳・仮名)は4年前の夏、小走りで移動したときなどに、時折、胸がチクリと痛むようになりました。最初におかしいなと思ってから10日ほど経ったある日、駅の階段を駆けあがったところ、胸がギューッと締め付けられるような強い痛みを感じたそうです。これまでに経験のない痛みだったことに不安を覚え、帰宅してからネットで検索したところ「軽い心筋梗塞かも…」とますます不安が募りました。そこで翌日には近所で開業している循環器内科を探して受診しました。
  診察の結果、狭心症の疑いがあり心筋梗塞を起こす可能性もあるとのこと。「なるべく早く大きな病院で治療したほうがいいですね。私の母校で心臓関係の手術で実績がある大学病院の分院を紹介しましょうか?」とドクターから勧められました。その大学病院は同じ市内にあり、野村さんの自宅からもそれほど遠くないので、その病院への紹介状をドクターに書いてもらいました。
  その翌日、大学病院を受診して精密検査を行ったところ、心臓の冠動脈の一部に血栓があって血管の85%以上が詰まっていることがわかり、その場で手術することが決まりました。しかし、評判がよい病院で混んでいるため、手術まで1週間待たなければなりません。担当医からは、「手術が終わるまではこの近辺から離れないでください。ニトログリセリン(冠動脈を拡張する薬)を処方するので、痛みを感じたらそれを舌の下に入れて溶けるのを待ってから、すぐに病院にいらしてください」と言われたので、仕事を休み安静にしていました。手術までの1週間、発作は起きなかったものの緊張の日々でした。
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