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医療・介護・相続等の現場
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母が脳出血で入院、離れて暮らす娘は…
ファイナンシャル・プランナー/蓋INKS 代表 山田 静江
入院から1ヵ月間の負担額
かかった費用:
医療費等の負担(最初の入院14日分)
※1
約6.4万円
入院雑費(14日分)
※2
約2.8万円
転院時のタクシー代
約0.4万円
母親の未払いなど
※3
約1.5万円
交通費(飛行機代)
※4
約22.4万円
土産など
※5
約1.5万円
約35万円
参照
: リハビリ病院および老人保健施設の費用等
医療費および雑費の負担(1ヵ月分)
※6
約8.4万円
老人保健施設の負担(1ヵ月分)
※7
約11.3万円
※1
食費14日分と診断書代含む
※2
シャンプー・リハビリの靴・パジャマなど
※3
配管工事・通販・月謝の未払い分など
※4
東京⇔福岡×5往復
※5
職場・近所・友人への土産
※6
食事代、紙おむつ・尿パッド代、テレビ代など含む
※7
介護保険の自己負担分、食費・居住費
■ 脳出血で緊急入院
初夏のある日、中川久美さん(43歳・仮名)は、母親のサチさん(78歳・仮名)の友人から「サチさんが倒れて病院に運ばれた」という電話を受け取りました。サチさんは九州の実家で一人暮らし、一方、久美さんは都内在住・在勤、講師派遣会社で働いています。電話を受けてすぐに上司に事情を話して、久美さんは飛行機で九州の病院に向かいました。
病院に到着すると、サチさんは集中治療室にいました。病名は脳出血で、左腕と左足に麻痺がありました。誓約書に記入し病歴を聞かれるなど、入院手続きには1時間程度かかりました。サチさんはその日のうちに意識を回復し、自分の状況を冷静に把握しているように見えたので、久美さんは取りあえず安心しました。
翌々日には症状が安定し、集中治療室から観察室に移りました。ところがサチさんは興奮し混乱。「バッグを持って帰られた」「忙しいから帰ると」訴えました。自分が集中治療室にいたことは覚えていない様子でした。
主治医の説明によると、右脳の頭頂葉に2〜3.5pの出血があるが、開頭手術はリスクが高く、また必要性がないためやらない。原因は特定できないが脳アミロイド血管症の疑いもあり。もしそうだすると、脳出血や頭頂葉で皮下出血を繰り返す恐れがあるとのこと。脳アミロイド血管症とはタンパク質の一種であるアミロイドが血管に沈着することで引き起こされる病気で、まだ効果的な予防法はないそうです。
また、救急搬送されて入院したのは急性期の病院であるため、出血が落ち着いたらリハビリ病院へ転院しなければなりません。リハビリは3〜6ヵ月と長期になるので久美さんは住まいのある東京の病院を検討したものの、主治医からは遠方の病院への転院は難しいであろうと告げられました。
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